「キャッチコピーの作り方」を学んではいけない、たった一つの理由

「キャッチコピー 作り方」と検索すると、様々なテクニック(作り方や型)が紹介されています。これに類する書籍も、山のように出版されています。

これらの情報は主に「どう書くのか」といったテクニック論です。テクニックを知ることはもちろん大切です。しかし、それ以上に大切なのは「何を書くのか」といった“本質”です。これは別に、キャッチコピーに限った話ではありません。

残念ながら、いくらテクニックを追い求めても、本質は理解できません。現に私の下には、キャッチコピーをはじめ、コピーライティングを学んできた方々から、「イマイチ腑に落ちていない」「頭の中で糸が絡まっている」「核心部分を理解していない気がする」といった声が届きます。おそらく、これをお読みの方の中にも、似たような感覚(本質を理解している気がしない)を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事は、そんな方に向けて書きました。「どう書くか」といったテクニックではなく、「何を書くのか」といった本質を理解していただけたらと思います。多少、回りくどい話になるかもしれませんが、どうぞお付き合いください。

まずは、なぜテクニック(どう書くか)よりも本質(何を書くのか)のほうが大切なのか。喩え話を交えながら説明していきます。

 

 

テクニックで人を口説く者は
人を人間として見ていない


「恋愛テクニック」といった類のコンテンツをあなたも一度は目にしたことがあると思います。実は、情報商材の世界では「恋愛系」は特に売れるジャンルの一つと言われています。書籍などと違い、一つ数千円~数万円もします。

この手の情報商材に手を伸ばす男性は、一体どんな人でしょうか?
「モテた経験がない」「女性との会話が弾まない」「口説くことが出来ない」といった男性像が浮かびます。ではなぜ、この人たちは女性と交際ができないのでしょうか? 一言で言えば、女性の気持ちを想像する(察する)能力が低いからです。

たとえば、女性から好かれる最低条件に「清潔感」があります。恋愛本では、「女性は清潔感が無い男性を相手にしない。だから、服装はこうしなさい」といった指南があるでしょう。それを読んだ男性は、「そうか。じゃ清潔にしよう」と考えるかもしれません。それはそれでいいです。

問題なのは、今までそのことに気づかなかったことです。
女性からどう見られているか、どう思われているかをちゃんと想像したことが無かったからこそ、こんな簡単なことにも気づけないのです。この「ちゃんと想像したことが無かった」は、清潔感だけの話ではありません。すべての言動に反映されているのです。「清潔感を……」はテクニック、「気持ちを想像できない」が本質なのです。ここに気づけなければ、延々とテクニックを追い求めるようになってしまいます。

 

話は続きます。
女性の気持ちを想像できない男性は、会話も接し方も自分本位になりがちです。そのため、女性から嫌われてしまいます。嫌われないまでも、好意を持ってもらえません。そこでモテない男性は考えるわけです。何がいけないのか、と。そして次の答えに行き着きます。「やり方(テクニック)を知らないから、好かれないんだ」。後はもう、お決まりのコースです。テクニックを紹介している書籍、時には高価な情報商材にまで手を伸ばすようになります。

このモテない男性は、「テクニックさえあれば、俺は女性に好かれるんだ」と考えているわけです。女性は、こんななふうに考えるモテない男性をどう思うでしょうか? 「素敵だわ(はーと)」「努力家でカッコイイ」でしょうか。いいえ違うはずです。「キモイ」と思ったはず(思うはず)。

 

いいですか、よく聞いてください。
女性の気持ちを想像せず、テクニックで女性を口説こうと考える男性だから彼女ができないのです。だから、そんな男性がいくらテクニックを知っても付け焼刃にしかならないのです。

真の原因にさえ気がつけば、枝葉の恋愛テクニックは必要なくなります。別に知っていてもいいのですが、「テクニックで口説こう」とは考えなくなります。

仮に、テクニックを学びテクニックで女性を落としたとしましょう。成功した男性は喜ぶかもしれませんが、実は、こちらのほうが厄介なのです。男性は「テクニックで落とした」と認識するため、女性の気持ちを今後も想像しようとしなくなります。女性を人ではなく、テクニックに反応する生き物ぐらいの認識でしか捉えなくなってしまうのです。

 

さて、本題のキャッチコピーの話に戻ります。何が言いたいのか、もうお分かりになりますよね。お客様の気持ちを想像せず、テクニックでキャッチコピーを作ろうとする行為は、モテない男性と同じなのです。そんな考え方では、真の意味においてキャッチコピーが書けるようにはなりません。

ですから私は、「どう書くか」といったテクニックではなく、「何を書くのか」といった本質を理解することが大切だと説くのです。本質を理解したうえでテクニックを使って欲しいからです。

テクニックは、力です。力をどう使うかはその人の心次第です。たとえば包丁。善き人は美味しい料理を作ることに使いますが、悪しき人は人を殺すための道具として使います。キャッチコピーのテクニックも、善き人が使えばお客様を幸せにしますが、悪しき人が使えばお客様を不幸にします。

 

ずいぶんと遠回りをしました。どうしてもこの話をしておきたかったのです。
では、ここからはキャッチコピーに「何を書くのか」の本質論について解説していきます。

 

 

キャッチコピーは、「何を書くのか」が重要


キャッチコピーの本質をお話ししていきます。

先ほどから何度も「相手の気持ちを想像する能力が必要」とお伝えしました。キャッチコピーを考える際も、対象客(ターゲット客)の気持ちを想像することが大切です。そのためには、まず対象者を明確にする必要があります。対象者があやふやであれば、気持ちを想像することなんてできませんからね。

 

対象客を明確にする方法は4つあります。

1つ目は、ペルソナを作る
解説:商品・サービスを購入してくれると考えられる仮想モデルをペルソナと言います。具体的には、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、価値観、家族構成、消費特長などの詳細な情報を設定して仮想モデルを作っていきます。

2つ目は、既存客の中から選ぶ
解説:既存客の中で最も理想に近いお客様を一人選び、対象客をモデルとします。実際に存在しているため、鮮明にイメージすることができ、かつ、コミュニケーションも取れるため、これ以上なく対象客を知ることができます。

3つ目は、2つの条件で絞る
解説:「対象者を決める」ということは、対象者を絞ることとも言えます。「○○で○○な方へ」というふうに。2つから3つの条件を設けて対象者を浮き彫りにします。たとえば、「○○に悩む40代男性へ」のように。

4つ目は、検索ワードから対象者を決める
解説:CVRの高い検索ワードを調査し、ターゲットワードを決めます。ターゲットワードを検索してくる人は、どんな人なのか。どんな悩みを抱え、どんなふうに解決したいのかなどイメージして、対象客像を作っていきます。

「対象客の明確化」は、これでまだ終わりではありません。次に対象客の欲求を明確にしていきます。

 

 

対象客の欲求を明確にする

私は、対象客を明確にすることの8割は“欲求の明確化”にあると考えています。なぜなら人は、「美味しい」「楽しい」といった快(欲求)を満たしたい、または、「不安」「悩み」といった不快(欲求)を解消したいために消費をするからです。

対象客は何を欲しているのか。欲求を満たして、どんな未来や生活を手に入れたいのか。これらを理解していなければ、対象客に振り向いてもらえるキャッチコピーは作れません。

対象客の抱える欲求を書き出していると、複数の欲求が出てくる場合があります。その場合は、優先順位を付けます。なぜかというと、優先順位を決めておかなければ、キャッチコピーを作る際に、あれもこれも前面に出してしまうからです。それでは、よいコピーにはなりません。何が主役なのか、何が脇役なのかを決めておく必要があります。

たとえば、「吹き出物に悩む30代女性」なら、優先順位はまず、吹き出物の解消です。小じわ解消やシミの予防などの欲求もあるかもしれませんが、それらは、優先順位2,3位に置いておきます。

 

 

欲求ワードを書き出す

続いては、「欲求ワード」を書き出します。欲求ワードとは、対象客(欲求)のアンテナに引っかかるワード(単語)のことです。

これだけでは、ピンと来ない方も多いと思います。そこで一つ思い出してほしいことがあります。
あなたはコンビニや書店に寄った時、あるいは街を歩いている時、自分が今興味を持っていること、悩んでいることに関する言葉が目にとまった経験はありませんか? 人は、自分が今関心を寄せている情報をついつい無意識に拾ってしまう生き物なのです。

キャッチコピー作りでもこの作用を応用します。要は、対象客(欲求)が無意識に目に留まるワードを使って、キャッチコピーを作るのです。

たとえば、「吹き出物に悩む30代女性」なら、欲求ワードは、「吹き出物」「つやつや肌」「30代女性」「お肌の悩み」「人の目が気になる」などがあるかと思います。このように思い付くものをどんどん書き出していきます。

続いて自社の売りを書き出すに作業に入っていきます。

 

 

商品の売りを書き出す


続いては商品の魅力について書き出していきます。
書き出すものは3種類です。

 

1.  メリット(機能的価値・情緒的価値)
解説:商品がもたらすメリットは、大きく分けて2つあります。機能的価値(機能・効能)と情緒的価値(感情・五感)です。前者は、言葉だけでも価値を表現し易いですが、後者は、言葉による価値の表現が難しいです。
たとえば本棚。機能性が優れたものとデザイン性に優れたものがあります。前者であれば、具体的にどう便利なのかが言葉だけで表現できますが、後者は言葉だけではなく他のインテリアと合わせたりして本棚がある生活をイメージさせる必要があります。商品は必ずどちらかのメリットに属します(もちろん両方有していることも)。まずは、機能的価値と情緒的価値の観点から、メリットを書き出すようにしてください。

2. 品質(実績・実証など)
解説:品質とは、メリットを担保するものです。いくら企業が「メリットがありますよ!」と謳っても、粗悪品だったりするリスクは常に消費者に付いてまわります。現に誰もが広告に騙され、買い物に失敗した経験を持っています。もちろん、使ってみるまでは真の意味での品質は分かりません。しかし、買う前であっても「品質」を伝えられるようでなければ、消費者は購入の意思決定を下しません。品質を担保する情報として、実績・推薦・証明・権威・メディア・満足度・保証などがあります。これらがあれば、書き出すようにしてください。

3. 特典(限定・割引・付録など)
解説:特典は、購入率を何倍にも引き上げる力があります。オーソドックスなのは、「○○限定△△OFF」などです。商品購入に結び付くような販促企画があれば、書き出すようにしてください。
ただし特典は、主役にしてはいけません。あくまでも脇役です。前面に出し過ぎれば、「特典(たとえば安さ)」だけのPRになってしまい、「特典」だけを求めるお客ばかりが集まってしまいます。そうなってしまうと、常に何かしらの特典を提供し続けなければいけなくなります。特典はあくまで脇役に徹することを忘れないでください。

これら3つを書き出したら、マッチングをしていきます。

 

 

対象客と商品をマッチングさせる


対象客像と欲求、欲求ワードを書き出し、次いで、商品の持つメリットと品質、特典も書き出しました。これで、キャッチコピーを作るための材料が出揃いました。後は料理をしていくだけです。

まずは、以下の図を見てください。

左側は、対象客を表しています。右側は商品を表しています。注目して欲しいのは、欲求1です。欲求2以下はとりあえず無視して構いません。次に、右側にある[メリット][品質][特典]の中から、欲求1の対象客が「欲しい!」と思うものを拾い出していきます。ここ重要です。どんなに企業側が自慢したいメリットや品質であろうと、欲求1を持つ対象客が刺さるものしかキャッチコピーには使いません。

さて、マッチングをしてみましょうか。
吹き出物を治したい30代女性が対象客なら、「吹き出物には、販売実績№1の○○」といったコピーが考え付きます。対象客が30代女性と絞り込まれているなら、「30代女性の吹き出物には、販売実績№1の○○」と書けば、対象客が振り返るコピーになります。

特典も加えてみましょう。
「30代女性の吹き出物には、販売実績№1の○○。今なら100名様限定で25%OFF」となります。ほかにも、「なぜあの娘のブツブツ肌が3日で綺麗になったのか? 1万人が実感したつやつや肌。今なら30名様限定のお試し価格」でもいいでしょう。

考えれば、ほかにも色々出てくるはずです。
これまで紹介してきたプロセスを経てからなら、巷に出回っているキャッチコピーの型を活用しても構いません。お客様の気持ちを想像することさえできていれば、テクニック論に振り回されないからです。本質を理解していれば、真の意味でテクニックを扱うことができます。

 

 

まとめ


私がキャッチコピー作りにこのプロセス(対象客の明確化→商品の明確化→マッチング)を推す理由は、商品視点からキャッチコピーを作らないためです。

売り手はどうしても商品視点からキャッチコピーを考えがちです。「○○なメリットがあるから、このコピーを使いたい」というふうに。大抵の場合、失敗します。企業が言いたいことと、お客様が知りたいことは概して一致しないものだからです。ですからまずは、対象客が何を欲しているのか、言い換えれば、対象客の気持ちを想像しなくてはいけないのです。相手の気持ちを想像する大切さは、冒頭の恋愛話でもしましたよね。これをして欲しいからこそ、あえて私はこのプロセスを推しているのです。対象客を想像することが当たり前になれば、このプロセスを使わなくても自然と対象者に刺さるキャッチコピーが書けるようになります。

 

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