お客様が流出する3つの原因
「集客しても、お客様の数が増えない」 。
お金をかけて新規客を集めても、流出していては固定客は増えません。
今のご時世、新規客の購入だけでは、儲けは出ません。 二度三度と、繰り返し買ってもらうことで儲けることができるのです。
「どうしたら、リピートしてもらえるんだ?」と、悩む経営者も多いでしょう。今回は、お客様が流出する原因と解決策についてお話しします。
リピート率が上がれば、利益は増大する
リピート率について理解するために、一つ計算をしてみましょう。
広告費を100万円かけて新規客を100名集めたとします。 1人あたりの平均粗利益は2,000円とします。 年間利用回数は平均6回としましょう。
100名×2,000円×6回=120万円(粗利)
広告費100万円を差し引いたら20万円の儲けです。
では購入回数が10回になれば、 儲けは何倍になると思いますか?
100名×2,000円×10回=200万円。
広告費100万円を差し引いて100万円の儲けです。
利用回数が6回の場合は20万円の儲け。 10回の場合は100万円の儲け。 その差は、なんと5倍です。購入回数が4回増えるだけで、儲けは5倍になるのです。 もの凄いインパクトだと思いませんか?
どんな商売であっても、リピートは不可欠な要素です。 リピート率を高めることができれば、商売は繁盛します。不景気で新規客を得ることが難しくなっているからこそ、流出を減らし、利益を確保しなければなりません。
お客様を流出させる3大要因
あなたは、なぜお客様はリピートしてくれないのだと思いますか?
「購入後の、アフターフォローが悪いから」 「商品がイマイチだったから」 「安物狙いのお客様だったから」 など、いろいろ原因はあげられると思います。 そして、どれも正解でしょう。
その原因を大まかに分類すると3種類になります。
- 対応が原因
- 商品が原因
- フォローが原因
順番に説明いたします。
対応が原因の場合
対応が原因というのは、接客や電話対応を指します。
実は、接客や電話対応の悪さは、 リピート率に大きな影響を与えています。
あなたも、こんな経験はありませんか?
お店の接客態度や電話応対が悪く、もう二度と来店(注文)するもんかと思ったこと。一度や二度経験があると思います。 このような、接客や電話対応の悪さは、 リピート率を下げる大きな要因です。
ビジネス書を読むと、「購入後にアフターフォローをしなさい」と、教えてくれますが、対応の悪い会社はそんなことをやっても無駄です。 商品やアフター以前の問題だからです。対応の悪さが原因の場合、恐ろしいことがあります。 それは、対応の悪さが流出の原因だとは、誰も気づかない。ということです。 社長もスタッフも気づいていないのです。
お客様は対応の悪さには、クレームを発しません。
あなたもお店の店員に「あなた、接客態度がなっていない」とか、 「あなた、電話対応がなっていない」とクレームを言いますか? 人に注意するというのは、もの凄くエネルギーが必要です。 わざわざ、エネルギーを使って注意をしてくれるお客様は、そういません。ほとんどのお客様は、黙ってお店や会社から去っていきます。 そして「あのお店は、態度が最悪よ」と噂されるのです。
大切なことなので、もう一度言います。 対応の悪さは、誰も教えてくれません。 そのため、社内の人間は、誰も気づきません。 そして、お客様は黙って去っていきます。
良い対応をするには、毎年数回、電話応対の専門家を呼んで講習を行うか、毎日練習をすることです。 多くの会社は、「自分たちは、それなりの対応をしている」と思っています。 その油断が、リピート率を下げてしまうのです。
また、優良顧客であっても、対応の悪さが原因で流出します。 優良顧客は、「自分はこの会社の優良顧客だ」という自負があります。 それなのに、初回客と同じような対応をすると 「大切に扱われていない」と感じ、流出してしまいます。 優良顧客でさえも、何も言わずに去っていくのです。しかし、逆に対応が良ければファンになることもあります。
私が以前いた会社でも、お客様に人気の女性スタッフがいました。 その女性スタッフ宛にお客様から電話はきますし、 数百万円の契約が何度も決まりました。
お客様と接する機会が多いのは、接客スタッフや電話対応スタッフです。 ここの接客の質が良ければ、必然的に自社のファンを増やすことになります。 悪ければ、お客様を失います。
対応は、良くも悪くも、大きな影響を与えるのです。
対応、接客に「普通」なんてないのです。「良い」か「悪い」かのいずれかしかありません。一度、自社の対応レベルを調べてみることをお勧めします。
商品が原因の場合
商品が原因でリピートされない場合があります。
品質が悪いからリピートがない、という意味ではありません。 商品の特性が問題という場合があるのです。どういうことかというと
商品にリピート性がない。処分に困るため、リピートされない。場所を取るため、大量に買わない。リピートされない。浮気されやすい商品のため、リピートされない。商品の使用が終わるまでの期間が長いため、リピートされない。季節や時期に関わる商品のため、リピートされない。など、品質の問題以外にも、 商品の特性でリピートされない場合があるのです。
どちらにしろ、原因が分かることが重要です。 原因が分かっているのと分かっていないのとでは、世界が違います。原因が分かれば、後は解決に向けて進めばいいのです。 しかし、原因が分からなければ、進みようがありません。商品に問題があるとすれば、どのような問題なのかを見つけ、対処法を考えます。
たとえば、処分に困るというのが原因だとします。
今は、ゴミの分別が細かく決められていますよね。 でも、意外と見落とされる問題です。 「処分に困るから買うのを躊躇される」という場合もあるのです。 解決策としては、分別しやすい素材を使うとか、回収サービスを行うというような方法をとります。季節や時期が左右される商品の場合は、何かのイベントと絡めて売るとか、季節以外でも、利用する理由やこだわりを教えるのもいいでしょう。
原因が分からないと、悩みます。 原因さえ分かれば、あとは考えるだけです。
品質の問題についても触れておきましょう。
品質は、会社の責任者が考える問題です。 お客様に提供している物が粗末であれば、商売の前提からおかしくなります。品質に対しては、お客様はクレームを発しているはずです。 クレームを無視したり、スタッフがクレームを隠していなければ、社長の耳に届きます。
返金保証を付ければ、より具体的な数字として表れます。 5%を超える返品率があれば、商品に問題があるか、過度な期待をさせる宣伝をしている場合があります。
また、商品の外見が品質を悪く見せていることもあります。包装を粗末にしている。パッケージがカッコ悪い送られてきたとき、綺麗に揃っていない。印刷物が汚い。など、見た目や届いたときの包装具合も、品質に繋がります。 この辺りも、油断せずにチェックしてください。
フォローが原因の場合
さて、最後の原因についてお話します。
対応も良い。商品も良い。それでもリピート率が上がらなければ、購入後のアフターフォローが原因です。
初回購入してくれたお客様に、あなたは何回フォローしていますか?
新規客に対してフォローする会社は、驚くほど少ないです。できたら、初回購入から1ヶ月以内に3回はフォローしてください。 3回の接触というのは、売り込みのDMを送ることではありません。 売り込み以外の郵送物やハガキを送ってください。
フォローの例を挙げれば、
お礼のハガキ、こだわりを書いた手紙、お客様の声の郵送物、会社のミッションなどがあります。
「え~~、仕事が忙しい上に、とても面倒くさい」 。
確かに、面倒くさい作業です。 新規客のフォローほど手間隙のかかるものはありません。 しかし、これをしないとリピートされず、流出してしまいます。
通信販売で有名な「やずや」は、 初回客に対して3ヶ月間で10回もフォローするそうです。10回ですよ。10回。 その結果、リピート率が60%という高い数字を誇っています。
高田靖久氏の著書【「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい!】に、 もの凄いデーターが書かれています。
3ヶ月に1度しか購入しなかったお客様と、3ヶ月に2度以上購入したお客様とでは、固定客になる割合が7倍も違う。というのです。7倍ですよ。7倍。 ぜひとも、3ヶ月以内に2回以上の購入を促進させたいものです。
いきなり、3ヶ月で10回は無理でしょうから、お礼の手紙から始めてみてください。できたら、1ヶ月間で3回の接触を試みてください。
流出したお客様を取り戻す方法
どんなにフォローをしても流出率はゼロにはなりません。 いろいろなレベルで流出が起こります。
大切なのは、流出させないように努めることです。 それでも流出してしまったお客様は、どうすれば取り戻せるのか。
一番効率的なのは、優良顧客の流出から手をつけることです。長くお付き合いしてくれたお客様ほど、戻ってくる確率は高いです。 逆に、付き合いの短いお客様ほど、戻ってくる確率は低いです。
毎月、顧客データを調査し、最近注文してこない優良顧客がいたら、すぐにフォローをしましょう。 フォローが遅くなればなるほど、戻ってくる確率は低くなります。 フォローには、手間隙と迅速な行動が肝心です。流出原因を改善し、継続的なフォローをしていけば、リピート率はおのずと上がっていきます。
以上が、リピート率を上げる3つの原則です。
ぜひ、ノウハウを活用していただき、リピート率を向上させてください。 あなたのご商売が発展することを願っております。
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