リピート率90%の美容室がネイルサロンを始める物語

以前私が、広告の出し方と顧客フォローのアドバイスをした美容室のオーナーから、驚くべき報告があったのでご紹介します。

1年ぶりの電話だったため、最近の広告の反応を聞いてみました。すると意外な答えが返ってきました。「もう、広告は出していません」。私は広告の反応が悪くなったのかと心配しましたが、どうやらそうではないようです。オーナーは続けてこう言いました。「深井さんのお陰で、広告からの集客は倍になり、1年ほど続けていました。ですが、今はリピート率が90%もあるので、広告を出さなくても予約でいっぱいです。紹介もあり、お客様の数が減ることはありません」と。

私は驚きました。リピート率が90%もあるとは。さらに聞きました。「どうやって、90%にしたのですか?」と。 するとオーナーは「えっ、深井さんに言われたことしかしていませんよ」と答えたのです。確かに、教えた顧客フォローのノウハウには自信があります。ですが、リピート率90%になるとは、思ってもいませんでした。

オーナーは続けてこう言いました。
「たとえば、深井さんに教えてもらった携帯メールのセールスってありますよね。あのメールを送ると3日以内に半分近くのお客様は予約してくれるんですよ。もう本当に助かっています」。携帯メールによるセールスは、確かに教えました。ですが、送った数の半分近くのお客様が予約するとは、通常では考えられません。

私は、どのようにメールを送っているのか聞いてみました。返ってきた答えは、私の想像を超えていたのです。「一人一人、前回のカットやカラーのこと、そして、そろそろ来店したほうがよいこと、こんなカットがオススメですよ、そんなことを書いて送っています」。

携帯メールによるセールスは、通常、同報送信をします。つまり、リストに向けて同じ文面を送るのです。しかしこのオーナーはそうではありませんでした。一人一人の顔を思い出し、メッセージを書き、送信していたのです。それが“当たり前”だと思っています。

一連の活動内容を聞き、私は気づきました。このオーナーの“当たり前の基準”が高いのだと。そして、顧客フォローとは何なのかを感覚的に理解しているのだと。このオーナーの“当たり前の基準”であれば、すべてのサービスのレベルが高くなります。そして、その積み重ねが驚異的なリピート率を生んでいるのです。私の教えたノウハウは、ただのきっかけでしかありません。オーナーは、顧客フォローの本質はなんなのかを感覚的に理解し、実践していたのです。

顧客フォローのノウハウを“テクニック”として捉える人には、その本質を一生理解することはできません。顧客フォローの本質とはなんなのか、それを気づかせるヒントがこの話には隠れています。本質を理解し実践することで、常識では考えられない奇跡が起きるのです。

 

 

美容師、ネイルサロンを始める


美容室のオーナーからまた面白い報告をいただきました。なんと、隣店舗でネイルサロンを始めたそうです。普通なら、美容室を2店舗目3店舗目と展開していくものですが、ここのオーナーはそれをせず、ネイルサロンに手を出したのです。実は、そのきっかけを作ったのが、私が書いた一通のニュースレターだったそうです。

数年前に発行していたニュースレターに私はこう記しました。「美容師は、お客様の来店頻度を1,2ヶ月に1回だと思っています。それは、カット、パーマ、カラーといったサービスが1,2カ月に1回しか来店理由を作れないからです。私は思います。別に美容室に毎日行ったっていいんです。毎日行く理由さえあれば」。これを読んだオーナーは、私の意図することに気づき、ネイルサロンを始めようと思い至ったそうです。

タイミングよく美容室の隣の店舗が空き、これをチャンスと捉え、ネイルサロンを開業。壁に扉を付け、美容室とネイルサロンを行き来できるようにしました。対象顧客は、今の美容室が対象としている40代の女性客。彼女らが喜ぶネイルを提供し始めました。その結果、美容室とネイルサロンの両方の売上を伸ばすことに成功したのです。

この話からは、3つの学びがあります。
1つ目の学びは、美容室と同じ対象顧客にしたことです。顧客対象を同じにすることで、美容室に来るお客様にネイルサロンを勧めることができます。その逆も可能です。ネイルサロンに来たお客様に美容室のサービスを勧めることもできます。

2つ目の学びは、ネイルサロンを美容室の隣で始めたことです。物理的な距離や移動時間は転換率に大きな影響を与えます。美容室とネイルサロンは隣店舗のため物理的な距離はほぼゼロです。美容室に来られたお客様にネイルを勧めた際、すぐにサービスを提供することができます。これがもし、離れた場所に店舗を置いたのであれば、転換率はほとんど見込めなかったでしょう。

3つ目の学びは、カット、パーマ、カラー以外の来店する理由を提供したことです。その後も、オーナーは次々と無料・有料のサービス、つまり、お客様に来店する理由を提供し続けたのです。

オーナーは最後にこう報告してくれました。「今では、毎日来店されるお客様も現れました」

 

 

商人が売るべきものとは


美容室のオーナーは、一人一人のお客様を大切にした顧客フォローを重ねた結果、90%のリピート率を達成し、ネイルサロンも軌道に乗せ、今では毎日来店されるお客様も現れるまでになりました。

オーナーは、私にこう言いました。
「深井さんに『毎日行きたくなる美容室を作りなさい』って言われて、すごく共感したんです。あぁ、それって素敵だなぁって。今私の夢は、この町の公民館的な存在になることなんです。毎日気の合う人達が来て、楽しんで、綺麗になって帰っていく。そんなお店になれたらなと思っています」。

このオーナーは、美容師として成功しようと思っているわけではありません。この町の公民館的存在になることがオーナーの夢であり、美しさを提供することが仕事と捉えているのです。

商人である以上、お客様の欲求を満たすサービスを提供するのは使命です。しかしそれだけでは、これからの企業はお客様からの支持を得られません。サービスをはじめとした顧客フォロー、店作りを通じて、あなたが“創りたい世界を創り”、お客様を魅了し、共感されなくてはいけないのです。

商人が提供しているのはサービスや商品ではありません。素敵なお店や空間でもありません。喜ばれる顧客フォローでもありません。これらすべては、“創りたい世界を創る”ための手段です。これからの商人が売るべきものは、あなたにしか創ることのできない、お客様に共感される世界なのです。

満足のいくサービスや顧客フォローは、お客様から「あなたから買いたい」という言葉を生みます。そして、世界を売ることができれば、「あなたに会えてよかった」に変わるのです。

商人が売っているのは、世界です。お客様は待っています。あなたにしか創れない世界を、あなたから届けられる日を。

 

 

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