商品の持つベネフィットを引き出す、魔法の質問
「商品の持つベネフィットを語りましょう」
マーケティングやセールスの世界では、よく耳にする言葉です。私はこれまで数多くの販促物を見てきましたが、ベネフィットまで語り切れているものは意外と少ないといった所感を持っています。大抵は、商品の特長までに留まり、ベネフィットまでは語り切れていません。
おそらく、広告制作に携わっている方の中には、「どうやったらベネフィットを語れるのか」と頭を抱えている方もいるのではないでしょうか。今回は、そんな悩みを解決する、魔法の質問をお伝えします。
その魔法の質問とは、
「で、だから何なの?」です。
商品特長を表したコピーを前にして、「で、だから何なの?」と問いかけてください。ベネフィットを引き出すことができます。
事例でお話ししましょう。
先日、家具店のチラシを添削しました。チラシには、いくつもの商品が並び、商品ごとに特長を表したコピーがあります。コピーの一つに、「疲れない椅子」がありました。「疲れない(疲れにくい)」は、その椅子の特長です。しかし、ベネフィットまでは表現しきれていません。そこで、「で、だから何なの?」と質問してみます。すると、「時間を忘れて読書ができる」「子供の勉強時間が倍になる」などといったコピーが浮かんできました。ほかにも考えればいくつも出てくるでしょう。
マーケティングにおけるベネフィットの意味は、「欲求が満たされている未来・体験」または「利益が得られた未来・体験」です。このレベルを表現するためには、抽象度を下げる(具体的にする)必要があります。「商品特長」は、まだまだ抽象度が高い状態です。抽象度を下げなくてはいけないのですが、そこで役立つのが、「で、だから何なの」の質問です。この質問をするだけで自然と抽象度を下げることができ、商品の持つベネフィットを引き出すことができるのです。
とても簡単な方法ですので、広告物や販促物を作る際に是非ご活用ください。
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