「ブラック企業の経営者」と「旧日本軍の指揮官」は、よく似ている

私は時々、戦時中の手記や分析書を読みます。それらの書籍を読むたびに思うのですが、ブラック企業の経営者と旧日本軍の指揮官の考え方が本当によく似ています。

似ている点を挙げたらきりがないのですが、今回私が特筆したいのは、批判意見が言えなくなる「空気」の醸成についてです。

旧日本軍は、無謀とも言える作戦をいくつも決行しています。無謀な作戦を決行した要因の一つに、「作戦を批判できない空気」の存在が挙げられます。指揮官は、作戦に対して批判的な意見をする者を「消極的だ!」と叱咤し、賛成意見しか耳を貸そうとしませんでした。このようなことが繰り返され、「作戦を批判できない空気」が醸造されていったのです。

実はこの空気、ブラック企業にも存在しているのです。
ブラック企業の経営者は、自分にとって都合の悪い情報、批判的な情報は排除しようとします。そのような情報をもたらす従業員を冷遇し、退職にまで追い込みます。従業員は、会社や社長に不満があって都合の悪い情報を伝えているわけではありません。会社のためを思い、伝えているだけなのです。

社長の対応を見た従業員たちは、こう思います。「この社長には、悪い情報を知らせてはいけない。たとえ、失敗すると分かっていても反論してはいけない」。このようにして、「空気」が醸造されていくわけです。この空気が生まれると、従業員はクレームを隠すようになり、事実を湾曲して伝えるようになります。そして、ブラック企業の社長の周りには、“YESマン”しかいなくなるのです。

では、YESマンの従業員は長く在籍できるのかと言えば、そうとも言えません。社長のめがねにかなった従業員は、社長の近くで仕事をするようになりますが、どこかのタイミングで社長が大きなトラブルを起こします(批判的な意見を聞かないから)。その際、社長の身代わりになって罪を被るのが社長の近くにいるYESマンなのです。「私ではなく、側近の○○が勝手にやったこと」などと言って罪をかぶせてきます。こうして社長の近くにいるYESマンたちは辞めていくようになるのです。

ブラック企業の経営者は、従業員の人生に微塵も興味がありません。たとえそれがYESマンであってもです。この点も、兵隊の生命に無関心だった旧日本軍の指揮官とよく似ています。

部下の人生(生命)には興味がないくせに、組織のためには全身全霊を捧げろと強要してくるのがブラックな組織の特徴です。いや、違いますね。部下の人生(生命)に興味がないからこそ、組織のために全身全霊を捧げろと強要できるのです。そして、ブラックな組織の責任者は必ず、組織のために全精魂を傾けた人間や精神論を称賛します。

日本にブラック企業が多いのは、旧日本軍の悪弊が未だ日本人の心性に残っているからです。旧日本軍の指揮官らが命じた無謀な作戦を称賛する風潮がある限り、ブラック企業はなくならないでしょう。

 

 

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