ブラック企業は、従業員からもお客様からも支持されない

近年生まれた言葉「ブラック企業」。
この言葉が生まれるずっと以前から、ブラック体質の企業は存在していたはずです。日本は長らく「会社に人生を捧げる」といった価値観が是とされてきました。今もそのような価値観を持ち合わせている人はいます。特に経営者に多いです。

経営者は、仕事の醍醐味や楽しみを知っており、長時間労働もいといません。しかし、「自分は幸せだから」「自分は成功したから」といって、その価値観を従業員に押しつければ、ブラック企業になります。

今、「ブラック企業」への風当たりは厳しいです。それをまともに受けたのが居酒屋チェーン店『ワタミ』。

ここからは先は、私の主観が多分に入る話です。
私が書籍やテレビから知る『ワタミ』の創業者 渡辺喜美氏は、自分自身にとてもストイックな方です。自分に大きな目標を課せ、一歩一歩是が非でも達成していく。そんなイメージを私は持っています。

事件(過労自殺)が発生する数年前、テレビ番組でワタミの朝礼の様子を映したTV番組を見ました。ビデオ映像を通じて、会社の使命や仕事観などを従業員に熱く語りかける渡辺社長。スローガンなどを熱心に唱和する社員たち。私はそれらを見て、渡辺喜美氏の成功体験から来る社員教育のあり方なのだろうと思いました。従業員を安くこき使ってやろうとする姿勢ではなく、「厳しく育てたほうが従業員は育つ、その人の人生のためになる」といった、父性的な愛情を感じたのです。ただ、冒頭で述べた通り、社長の価値観を押し付ければ、往々にしてブラック企業になります。

たとえば、労基法違反として指摘された箇所に、「研修用の渡邉美樹氏の書籍代金を給料から天引きしていた」「研修に要した時間に賃金が支払われていなかった」があります。

私も幾人かのストイックな経営者を見てきたので、なぜ、これをしたのか、その心情がなんとなく推察できます。経営者はこう考えているのです。

「勉強は自分でお金を払ってするからこそ身になる。お金をもらいながらする勉強や研修では身にならない」と。経営者は、自身の勉学の費用は自分で捻出してきた方ばかりです。そのため、「お金をもらいながら勉強する」という姿勢が理解できないのです。これはこれで筋は通っています。しかし、労基法違反は労基法違反です。法の前では通用しません。

事件から10年近く経過していますが、未だに尾を引いています。それだけイメージの持つ影響は大きいのです。

私は、自分が入る居酒屋がブラックだろうがホワイトだろうが気にしません。美味しい物が出てくるならそれで満足です。そんな私と違い、「ブラック企業から物を買いたくない」と考える人たちは多いです。

特に若者世代は敏感です。上の世代から「搾取」されている意識を有しているからです。正直言って、今の若い人たちは損な世代です。一昔前と比べても、昇給や出世の可能性は低く、年金も多分もらえません(もらえても少額か70歳以降)。損な役回りの世代であることを理解しているため、「搾取」と感じることに関しては敏感に反応します。「ただでさえ損する世代なのに、ふざけるな」となるのです。

経営者と従業員の価値観の違い。世代背景の違いなどを鑑みて、労働のあり方を変えていかなくてはいけません。今後は、時代に即した労働環境を整えなければ、従業員が定着することも、お客様からの支持も得られません。

労働環境を是正することは、マネジメントは元より、ブランディングにも大きな影響を与えるのです。

 

 

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