「この会社」と「うちの会社」に表われる底意

人の底意(本音)は、言葉に表われると私は考えています。顕著に表われるのは“何気ない一言”です。一例が「この会社」「うちの会社」です。

会社に不満があったり、転職を考えている従業員は、自社のことを「この会社」と言います。この言葉を発する従業員は、著しくモチベーションが低く、会社に対しても愛着がありません。「心ここ(会社)にあらず」です。この心情が自社を指す言葉に自然と表出してしまうのです。

以前いた会社で、こんなことがありました。会議中にある従業員が「この会社は……」と発した瞬間、他の従業員が「『この会社』って、なんだよ。」と突然怒り出したのです。突っ込まれた従業員は「この会社は、この会社だよ。なんか文句あるのか?」と返し、まさに一触即発の状態。結局は爆発して取っ組み合いの大喧嘩になり会議どころではありませんでした。

怒り出した従業員は、「この会社」の持つ「他人事」「冷たさ」といったものを敏感に感じ取り、発した従業員の底意を見抜いたのでしょう(喧嘩したのは褒められたもんじゃありませんがね)。

一方、「うちの会社」の言葉からは、会社との一体感・身内感といったものが感じ取れます。モチベーションも「この会社」と言う従業員よりは高いはずです。「忠誠心」「愛社精神」といった言葉は今や死語かもしれませんが、勤めている会社へは最低限「自分ごと」という認識は必要だと私は考えています。

従業員のモチベーションを観察するうえでも、「この会社」「うちの会社」のどちらを使っているのかを見るのは有効です。「この会社」を使い始めたら、黄信号ではなく、赤信号だと思ってください。ほとんど手の打ちようはありません。そうなる前にモチベーションが維持できるマネジメントの仕組みや社風を作る必要があります。

このコラムは中小企業の経営者向けに書いていますが、もし会社員が読まれていれば、最後にお伝えしておきたいことがあります。
「この会社」は、他人の世界で生きている人の言葉です。他人事にすることで向き合いたくない現実から逃げているだけです。「うちの会社」は自分の世界で生きている人の言葉です。断然、後者のほうが辛くて楽しいです。自分事にしない限り、人は自分の世界を変えることはできないのです。

 

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