接続詞は極力使わないほうがいいのか

文章術を説く人の中には、「接続詞は使わないほうがいい」と提言する人がいます。理由は、そのほうが「美文」になるからです。確かに、美文を目指すなら接続詞は極力省いたほうがいいでしょう。しかし、目指すものが美文でなければ、接続詞を省く行為は悪文へと繋がります。

ここで、接続詞の有無の違いを表わす簡単な例を紹介します。
アニメ『エヴァンゲリオン』の綾波レイの名言、「あなたは死なないわ。私が守るもの」があります。これに接続詞を入れたら、「あなたは死なないわ。(だって)私が守るもの」になります。なんだかカッコ悪くなりますよね。このように、接続詞を省くことでリズムや行間が生まれて美文になります。

では、どんな文章でも接続詞は省いたほうがいいのかと言うと、そうではありません。実用文書や論文では省かないほうがいいです。私の実体験を元に解説します。

「文章術」に関する書籍を読んだときの話です。
冒頭の数ページを読んだだけで、私は違和感を覚えました。難しい言葉は使っていないはずなのに、なぜか内容が頭に入ってこないのです。半分まで読み進めたところで原因が分かりました。書籍の一文にこう書かれていたのです。「私は接続詞を極力使いません」と。注視して読み返してみると、驚くほど接続詞はありませんでした。

著者は新聞コラムを連載していた過去があり、その中で接続詞を省く技術を編み出したそうです。書籍にもその技術が施されていたわけです。

しかし、一読者の私にとって接続詞のない文章はいい方向に作用はしませんでした。先述したように内容が全く頭に入ってこなかったからです。

文章術を説く書籍は、言わば「実用文書」です。数百文字しか掲載できない新聞コラムならまだしも、数万文字に及ぶ実用文書で、接続詞を使わなければどうなるか。論理展開が読めなくなります。

接続詞は、読者への「予告」です。
「だが」「しかし」とくれば、続く文は逆説です。「反対に」「一方」とくれば、続く文は対比です。接続詞があれば、読者は「次は逆説が来る」「対比が来る」と準備をして読むことができます。

小説やエッセイ、短文のコラムは、接続詞を省くと美文になります。しかし、実用文書や論文は、接続詞を省くと悪文になります。後者の場合、追求すべきは「文の美しさ」ではなく「文の明晰」だからです。論理展開が分かる程度の接続詞は残さなくてはいけません。

あなたが目指している文章は「美しさ」ですか。それとも「明晰」ですか。ぜひ、目指す文章を定めて、接続詞と上手に付き合ってください。

 

 

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