人の心を動かす文章を書きたければ数字を使うな!

シリア難民問題に大きな影響を与えた出来事があります。それは、トルコのリゾート地のビーチに横たわるシリア少年の遺体が映った一枚の写真です。この写真がヨーロッパ各国に大きな衝撃を与え、今まで難民問題に難色を示していた国も、難民を受け入れる政策を進める形になりました。

難民問題は、写真が出る前からヨーロッパ各国で報道されていたはずです。シリアから海を渡って亡命する際、ボートが転覆して亡くなる人がいたことも、どれだけの人が亡命しているかも知っていたはずです。しかし、人々の心を動かすことはありませんでした。ではなぜ、一枚の写真は人々の心を動かしたのか。それは、具体的な事実がそこにあったからです。

一人にフォーカスすればするほど、人は共感を覚えます。具体的な事実が伝わってくるからです。事故や震災などで亡くなった人の「数」を伝えられるよりも、被災者一人の生の声を聞くほうが悲しみを覚えます。

「数字ほど具体的なものはないだろう」と思う方もいるかもしれません。
数字は、論理の面から見ると具体的なものですが、感情の面から見ると抽象的なものなのです。

ヒンシュクの達人』(著 ビートたけし)に的を射ている一文があります。

常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。今回の震災の死者は1万人、もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。
テレビや新聞でも、見出しになるのは死者と行方不明者の数ばっかりだ。だけど、この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。 (中略)
そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。(p38-39)

「1人が死んだ事件が2万件あった」ということを読者に想像させるのが、伝える人の役目だと私は思います。まずは、一つか二つの事例を具体的に伝え、それから数字を伝えるのが正しい手順です。「Aさんはこんな経験をしました……。このような経験をしている人が、ほかにも○○○○人もいるのです」というふうに。

全体の一部を抜き取って鮮明に描く行為は、ある意味偏った情報です。それでもいいのです。「客観的な事実を伝える文章」と「人の心を動かす文章」は、別物だと考えてください。

あなたは事実を伝えたいのですか。それとも、人の心を動かしたいのですか。後者であれば、一つの事例にフォーカスした文章を書くよう心がけてください。

 

 

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