商品点数の陳列に「意味」を見出し、選ぶ楽しみを与えよう

私は、日本酒好きが高じて居酒屋巡りをよくします。その際、「ここの店主は、日本酒が好きなんだな」と判る瞬間があります。それは、日本酒のマトリクス表を見つけた時です。

たとえば、縦軸に日本酒度の「甘口/辛口」、横軸に酸度の「濃い/淡い」を置き、一点一点の銘柄を振り分けていきます(香りで振り分けることもあります)。これらの表は、酒蔵から配布されたものではなく、店主の「舌」によって作られたものがほとんどです。私たちお客は、その表を見ながら「この酒はここか。じゃ、次はこの酒を飲んでみよう」「ほほう、店主はこのお酒をここに置くか」などと考えながら次のお酒を選び、飲みます。こうして考えて選ぶ時間はひと時の楽しみです。気が利くお店はに「三種飲み比べ」といったメニューもあり、お得な価格で3種類を飲み比べたりもできます。

ただ、商品名と特長を載せるのではなく、全商品を何かしらの基準の下に並べていく。そうすることで、陳列自体が「意味」を持ち、お客様に選ぶ「楽しみ」を与えるのです。

日本酒に限らず、ほかの商品でも活用できるはずです。
たとえば珈琲。豆の名前と苦味酸味などを星印で表記して販売しているお店は数多くありますが、できれば基準を設け表に落とし込んでもいいでしょう。化粧品でも衣料品でも、お店独自の基準を設けて陳列できるはずです。

「商品を選ぶ」に焦点を当てた行動心理学の面白いデータがあります。(論文「選択のパラドックス」より)

2つのディスプレーを用意。一方には24種を1個ずつ広範囲に集めたジャムを陳列。もう一方には6種に絞り込んで4個ずつ陳列。
通行人はどちらも240~260人の同数。そのうち足を止めた人数の割合は、24種を陳列したディスプレーが60%、6種を陳列したディスプレーが40%だった。種類が多いほうが注目度は高い結果となった。
しかし、ジャムの購入を比較したところ、現象は逆転した。
24種陳列したほうの購入者の割合はわずか3%。これに対し、6種陳列したほうの購入者は30%近くいた。
つまり、買った人の割合は、足を止めた人の割合とはまったく逆の、しかも10倍近い大差をつける結果となった。

この文は「そうか、商品点数は多すぎると消費行動を減退させるのか」と読めてしまいます。しかし、私の意見は違います。「そりゃ、ただ商品を数多く陳列されたら、選ぶのが苦痛になり、消費しないよね」です。大切なことなので覚えておいてください。人は、選ぶ楽しみを与えてもらえなければ、選ぶことが苦痛になります。

商品点数を少なくすれば良いというわけでも、数多く取り揃えれば良いというわけではありません。商品点数を減らして苦痛を和らげるのも一つの陳列です。商品点数を多く揃えて、陳列に意味を持たせて買う楽しみを与えるのも一つの陳列です。陳列法に「答」があるのではなく、自店に合った「解」を見出していくしかないのです。

 

 

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