反応率2%を超えるFAXDMの秘密は、消費行動プロセスにあった
BtoBビジネスの集客手段として、よく用いられるのがFAXDMです。
「一昔と比べて反応は落ちた」と言われていますが、ツボにハマれば今でも大きな反応が得られます。そのツボとは何か。私のクライアントの事例を参考に解説します。
長野県にある数珠販売会社から、ブレスレット店に送るFAXDM原稿を作ってほしいとの依頼がありました。市場のニーズやオファーの内容を聞き、これなら反応が得られると判断して依頼を受けました。結果から言えば、2,544件の送信に対して48件の申し込みがありました。反応率は2%超えです。FAXDMに携わったことのある人なら分かりますが、これは非常に高い数値です。このような成果が出せたのは、「私の作った原稿が秀逸だった」と言いたいのですが(もちろん、それもあるよ)、ブレスレット店の主は自営業者だったという点が大きいです。
実は、自営業者へのFAXDMは比較的高い反応率が得られます。なぜ高いのか。その理由を、私が提唱する「消費行動プロセスの設計法」の観点から解説したいと思います。
まずは、FAXDMを受け取った相手側が、FAXを返信するまでにどのようなプロセスを経るのかを書き出してみます。まずは、一般企業に送信した場合です。
- FAX機からFAXDMが流れて来る。
- 事務員がFAXDMに気づく。
- FAX機に近づく。
- FAX機にあるFAXDMを手に取る。
- 内容に目を通す(上司に渡すかを判断)。
- FAXDMを決裁者(上司)に渡す。
- 内容に目を通す(申し込むかを判断)。
- 机の上にあるペンを取る。
- FAXDMの申込み欄に記入する。
- FAX機に向かい返信する
以上は、企業にFAXDMを送信して奏功した際のプロセスです。
実は、この一連のプロセスの中に大きなハードルが二つあります。それは、5と7です。5は、事務員が原稿を読んで上司に渡すかどうかを判断しています。7は、上司が申し込むかどうかを判断しています。FAXDMのほとんどは、いずれかのハードルを乗り越えられず、ゴミ箱行きとなっているのです。
これに対して自営業者へのFAXDMは、5のハードル「内容に目を通す(上司に渡すかを判断)」がありません。なぜなら、自営業は一人、ないしは三人ほどで営業していることが多く、FAXDMを始めに手に取る人が決裁者であることがほとんどだからです。そのため、決裁者の手元にFAXDMが届かないという事態が起こりにくくなります。自営業者にFAXDMを送信した際のプロセスを書き出してみましょう。
- FAX機からFAXDMが流れて来る。
- 決裁者がFAXDMに気づく。
- FAX機に近づく。
- FAX機にあるFAXDMを手に取る。
- 内容に目を通す(申し込むかを判断)。
- 机に向かい、ペンをとる。
- FAXDMの申込み欄に記入する。
- FAX機に向かい返信する
企業の場合に比べてプロセスが減りましたね。ただ、減っただけではなく、前述した通り、大きなハードル「内容に目を通す(上司に渡すかを判断)」がなくなっています。その分、決裁者の手に渡る確率が飛躍的に高くなるのです。
以上の理由から、自営業者へのFAXDMは比較的高い反応が得られるのです。中小企業であっても、従業員数が少なければ同じことが言えます。今回のように、消費行動プロセスを書き出して俯瞰して見ることで、違った視点で消費を見つめることができます。ひいては、プロセスの改善や対策が打てるようにもなります。
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