ドラックストアや書店が他業界の商品を扱い始めた

「業界の垣根を越えた商いが普及する」。
私はコラムを通じて常々この論説を述べてきました。2015年、どうやらこの理論が現実化しそうです。
続々と大手企業が、業界の垣根を越えた商いをし始めたのです。

2015年1月5日の日経MJに大々的に取り上げられた記事があります。
見出しは「顧客ニーズに寄り添う」。

市場規模が6兆円を突破したドラッグストア業界だが、消費増税による販売減やコンビニエンスストアや食品スーパーとの競合など逆風に立たされている。大衆薬や日用品、化粧品を充実させた店舗では集客に限界がある中、店内に高級パン売り場を設けたり生鮮野菜や精肉の売り場を設けたりするなど既存のドラッグストアのくくりにとらわれない店作りに挑む。(中略)
価格は1個160~500円と一般的な量販のパンよりも高価格帯だが「売れ行きは好調」。

一つの業界に固執していると、商品群が持つ特性から脱却できません。ドラッグストアの例で言えば、医薬品ばかりの品揃えでは、来店機会が限られます。それを解消する手立ての一つが、医薬品以外の商品を置く、ということです。

記事で紹介された事例では、高級パン、生鮮野菜、精肉など、購入・来店頻度の高い商品を揃えています。このように、業界の垣根を越えることができれば、業界の持つ弱点を克服することも可能なのです。
そして大切なのは、お客様はパン屋だからパンを買うのではなく、薬局でもパンを買うという事実です。

多くの商人は、「○○屋でなければ、○○を売ってはいけない」という誤った認識をしています。そのため、99%の企業は業界思考から脱却できません。自社でパンを作らなくても、パン屋と提携して自社の店舗内でパンを売ってもいいのです。
実は、同紙面に関連記事がもう一つ掲載されていました。
見出しは「書店に化粧品・調理用具」。

文具、生活雑貨、化粧品―――。店内で書籍や雑誌以外の商品を販売する書店が増えている。先行するのは「蔦屋書店」などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)。カフェ建設型や、雑貨類を取り扱う店舗などを幅広く展開する。(中略)
店内には化粧品だけでなく、美容関連の書籍を並べた。美容情報を総合的に提供できる場を作るのが狙いだ。

蔦屋書店の事例は、ドラッグストアの事例よりも一歩先に進んでいます。
なぜなら、ドラッグストアの事例は、業界の垣根を越えたとはいえ、商品陳列に脈略がありません。しかし、蔦屋書店の商品陳列には脈略があります。
一つの例として、美容関連の書籍と一緒に化粧品を置いています。「美容関連の書籍を買う人は、化粧品にも興味があるだろう」という、お客様の嗜好・行動を先読みしての商品陳列です。

ここは、とても大切な点です。
私は以前から「業界の垣根を越えても商いはできる」と提言してきました。しかし、何でもいいから他業界の商品を並べればいいと言っているわけではありません。「A商品を買ったお客様は、次に何を欲しがるかな、何を提供したら購入するかな」と考え、それを用意するのです。そこに業界の概念を介入させる必要はない、と言っているのです。

本コラムでは、垣根を越えた商いの事例をいくつか紹介してきました。年々、その事例は増えてきています。実は、紹介したいけれども、紹介できないものはいくつもあるのです。

ここからは、個人的な所感を述べます。
今回のように、大手企業が業界の垣根を越えて商品を扱う事例を見るたび感慨深くなります。

10年前私は、「業界という概念は近い将来なくなる」と気づき、それを広めようと7年前に起業しました。当時、「業界の垣根を越えて商いができる。そういう時代が来る」と言っても、ほとんどの人は、相手にしないか、話半分で聞いていました。しかしそれを、年を追うごとに取り入れる企業が増え、今では新聞に度々取り上げられるようになったのです。

まだまだマイノリティではありますが、2015年を境に、日の目を見るようになるのではないでしょうか。

最後に一言。
「ようやく時代が俺に追いついた」

 

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業界の垣根を越えた商いをする方法を3時間に亘って解説

 

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