住宅を売るために雑貨を売る

私は以前から「業界」という見方は、呪縛であると説いてきました。
初めて聞く方のために、再度説明をします。住宅を扱っていれば、自然と「自分たちは住宅業界に属している」と認識します。これが呪縛です。なぜなら、住宅以外を販売しようと思わなくなるからです。

そもそも、業界などという垣根は、商いの本質から逸れていると私は考えています。なぜなら商いとは、「お客様が欲している物を売る」「お客様が欲する物を売る」だからです。「○○を扱っているから、○○業界。だから○○だけを売る」では、お客様のニーズに応えられません。業界という見方は、商品中心、売り手中心の視点です。お客様視点ではありません。お客様はあなたが何業界に属しているか、なんて気にもしていません。私の欲しいものがそこにあるのか否か、が重要なのです。

呪縛の弊害は、それだけではありません。
ビジネスモデルの弱点を埋めることができないのです。たとえば、住宅は、集客商品としてはふさわしくありません。数千万円の買い物ですから、購入する人はとても限られています。しかし、自分たちは住宅業界だと認識している人たちは、集客しにくい住宅で集客しようとします。

2015年2月2日の日経MJに面白い記事がありました。ご紹介します。

株式会社アーペ(水戸市)がユニークなファン作りで住宅販売している。そもそもアーペのスタートは雑貨とカフェの併設店舗だった。(中略)
地元には30代の女性を中心にした“アーペファン”が急増。
その後に開業した美容室やネイルサロンにもお客さんが出入りするようになり、その流れでアーペがプロデュースしたモデルハウスにも、熱烈なファンが足を運ぶようになった。地道なブランド浸透戦略により、オープン2年目の新規事業にも関わらず、2014年度は10棟以上を受注。多い時には1日40組のお客さんがモデルハウスに訪れるという。

 

分かりやすくビジネス展開を書くと、「雑貨&カフェ⇒美容室&ネイルサロン⇒住宅」になっています。初期の事業からファン作りを行った結果、住宅販売も好調な滑り出しをしたわけです。

私が素晴らしいなと思ったのは、集客性の高い事業から手を付けている点です。雑貨&カフェはリアル店舗の中でも、最も集客性が高い商いです。また、雑貨とカフェは相性が良い。併用した事業も展開しやすく、世界観(コンセプト)をより表現できます。続く、美容室&ネイルサロンも集客性はそこそこ高く、女性ファンも付いているためウケは良かったはずです。そしてその流れで住宅販売。
集客しやすい商品でお客様を集めて大勢のファンを作り、そして、高額商品を販売する。最も美しいビジネスモデルです。
このように、呪縛に囚われなければ、業界の垣根を越えたビジネスができます。

紹介した記事を読んで、知人のコンサルタントから聞いた話を思い出しました。ある住宅会社が、住宅と同じコンセプトを打ち出したカフェを始めたそうです。結果的に、受注数は3年で倍以上になったそうです。

最後に、前述した話を付言します。
お客様はあなたが何業界に属しているか、なんて気にもしていません。私の欲しいものがそこにあるのか否か、が重要なのです。

 

 

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