顧客視点で商売を設計するということ

私がランニングシューズを買いに行ったときの話。

シューズを買いに行った動機は、ダイエットのためランニングを始めようと考えたからです。
私が訪れた店舗には、たくさんのシューズが並んでおり、どれを選んで良いのか分からないため、店員に「ランニングを始めるので、足を痛めないシューズが欲しい」と伝えました。そして、店員から勧められたランニングシューズを購入した後に、別のお店に行き、ランニング用のウェアやジャージを購入しました。

何気ない、普通の買い物。
ですが、私は不思議に思うのです。なぜ、ランニングシューズを売っているお店で、ランニングウェアは売っていないのかと。ランニングシューズを買う人は、ランニングをする人です。シューズとウェアを一緒に提供してくれれば、わざわざ別の店まで足を運ぶ必要はありません。

シューズを買うには、シューズを買うニーズもしくはウォンツがあります。
私の場合で言えばダイエットです。ダイエットをする手段としてランニングを選んだのです。そのためにシューズが必要になったのです。 つまり、ランニングに関わる商品であれば買う意欲はあります。ウェアやジャージ、心拍計など必要な道具すべてです。

靴屋だからシューズだけを売る、というのは、商品を軸にした商売の見方です。
そうではなく、商売は、お客様のニーズ・ウォンツに合わせて商品を並べることが大切です。つまり、顧客視点で商売を設計するのです。顧客視点で商売を設計するという観点で言えば、あなたが何屋なのかはどうでもいいのです。

商売の大原則は、“お客様からしか売上は生まれない”ということです。
ならば、商売の中心はお客様でなければいけません。お客様のニーズ・ウォンツを突き詰め、それを満たす商品を提供すればいいのです。

しかし、現実はまったく逆です。
扱う商品から考えて、それを求めるお客様を探します。商品が中心であり出発点なのです。商品視点で商売をしていると、「シューズを扱うお店だから、シューズしか売ってはいけない」と、勝手に決めつけて、商品視点で商売を設計してしまいます。

顧客視点で商売をしている商人はとても少ないのです。
ここで、とても珍しい、顧客視点で商売をしている会社をご紹介します。

 

 

事例1 化粧品会社が、野菜を売り始めた!


私の妻が大好きな、A社という化粧品会社があります。
A社は、化粧品のほかに、サプリメントや調味料、野菜までも売っています。なぜ、化粧品を売っている会社が、調味料や野菜を売るのでしょう?

A社は出発点である化粧品に強いこだわりがあります。
天然成分にこだわり、石油化学物質を使わない化粧品を提供しているのです。それに共感するお客様が商品を買い続けているわけです。
そこでA社は、安全な化粧品にこだわっているお客様は、健康にも関心があるのではないかと考えたわけです。そして、化粧品と同様に、原料にこだわったサプリメントや調味料、有機野菜を提供し始めたのです。

これは顧客中心で商売を設計している好例です。
「化粧品を扱っているから化粧品しか販売しない」と考えるのが99%の化粧品会社です。商品を中心に考えると、化粧品や美容品以外の商品を提供することしかできません。

しかし、顧客視点で商売を設計すると商品の提案が無限に広がります。そして、お客様は喜んで買ってくれるのです。私の妻も、喜んで化粧品やサプリメント、調味料を購入しています。

 

 

事例2 ミネラルウォーターを売っていた会社が、 美容商品を売り始めた。


私が取締役をしていた会社は、ミネラルウォーターを扱っていました。お客様は、健康に関心のある方々です。

もし、商品を中心に商売を設計するなら、水に関係する商品を増やすでしょう。
しかし、お客様を中心に考えると商品の選び方が違います。健康に関心のあるお客様に売るものは、水だけとは限りません。サプリメント、健康食品、健康に関するコンテンツ、健康器具などいくらでも思いつきます。ミネラルウォーターで集客したとして、その後に売るものは、サプリメントでも良いわけです。

実際に、次に販売を始めたのは、ヘアケア商品でした。
「健康に関心のある女性客は、美容にも関心があるはずだ」という仮説を立て、ミネラルウォーターを注文している女性客に対して、無添加のトリートメントを販売しました。結果は、顧客リストの11%の方が購入したのです。

売れる商品(トリートメント)があったわけではありません。商品(トリートメント)を欲しがる顧客リストがあったから売れたのです。顧客視点で商売を設計するというのは、こういうことなのです。

「当社のお客様は、何を提案すれば喜ぶだろうか」と考えて、商品を提案する。
お客様の趣味、思考、ニーズやウォンツ、仕事やライフスタイルに合った商品を提供すれば売れるのです。

「何(商品)を扱っているか」ではなく、 「誰(お客様)を扱っているか」で商売を見ることが大切です。
お客様を中心に商売を設計できれば、提供できる商品は無限に広がり、お客様と長くお付き合いすることができるようになります。

ぜひ、あなたも顧客視点で商品を選んでみてはいかがでしょうか?

 

 

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