『コロコロコミック』と『うんこ漢字ドリル』に学ぶターゲティング

「自社商品をもっと多くの客層に受け入れられるように改良したい」。
そうお考えになったことはありませんか? 今回は、商品のターゲットを広げることについて解説したいと思います。

2017年5月10日の日経MJの一面に、コロコロコミックの編集長 和田 誠氏のインタビュー記事が掲載されていました。示唆に富んでいる内容だったので、一部引用してご紹介したいと思います。

創刊40年 出版不況でも80万部の秘密
「読者は95%以上が男子です。コアターゲットは小学4から小6.この学年で70%を占めます。女の子に比べだいぶ成長が遅い。女子が恋愛やおしゃれに興味を示すなか、相も変わらず、うんこ、おちんちんで喜ぶ。これはもう時代が変わっても不変ですね。僕らは『うんこ・ちんちん原理主義』と呼んでいます」(中略)
「『もう読むのはいいや』と思った子供は追いません、すがりません。気持ちよく送り出し、次の子どもたちに入ってきてもらう。これが長く続くための秘訣。」

私が示唆に富んでいると思った点は2つあります。

1つ目は、コアターゲットを広げない姿勢です。少子化の影響を受け、漫画雑誌はどこも部数を減らしています。週刊少年ジャンプでさえ、200万部を割り込み、黄金期の3分の1にまで減らしている状態です。絶対数である子どもの数が減っているのですから、ターゲットを広げたいと思うのは自然な心の動きだと思います。しかしそれをあえてしない。魅力が失せ、かえって部数を落としてしまうからです(引用していませんが、同じ趣旨の話が同紙にも書かれています)。
これは雑誌に限らず、どの商売にも言えることです。売上が低迷しているからと言って、商品をいじってターゲットを広げようとすると、かえって売上を落とします。ターゲットを広げるなら、成功している既存商品のターゲットを広げるのではなく、新しいターゲット向けに商品を作ったほうが無難です。

2つ目は、子どもが喜ぶ不変の原理を押さえていることです。
確かに男子は、「うんこ・おちんちん」が大好きです。私の時代もそうでしたし、今、近所の子供たちの話を聞いていても、同じだなと感じます。言われてみれば当たり前に思えることでも、実はそこに本質(真理)が隠されているものです。これに気づくに至るまでに、様々な経験や観察があってのことだと思います。

さてここで、『うんこ・ちんちん原理主義』を証明する事例を紹介します。『うんこ漢字ドリル』です。同日の日経MJの裏表紙一面にこんな記事が掲載されていました。

小学生向けドリルでブレーク うんこで漢字練習
「このうんこが一番大きい」「二階からうんこがおちてくる」「河原でさんかくのうんこを見つけました」――。ページをめくると、これでもかとうんこを使った文章が飛び込んでくる。文響社(東京・港)が3月下旬に発売した「うんこ漢字ドリル」。1年生のドリルで「一」「二」「三」を学ぶ例文の1つだ。(中略)
5月上旬に発行部数が100万部を超えた。

ドリルは娯楽性のある商品ではありません。どちらかというと苦痛を伴う商品です。そのためヒット商品にはなりにくいです。それが、うんこの力を借りただけで娯楽性のある商品へと変わり、なんと100万部の大ヒット商品に。いやはや、恐るべし『うんこ・ちんちん原理主義』。

ドリルは必然的にターゲットが絞られます。小学1年生向け、2年生向け、小学3年生向けと、1年刻みで。ターゲットが絞られるからこそ、小学生(男子)にウケるうんこドリルが開発できたのかもしれませんね。もしくは、『うんこ・ちんちん原理主義』をどこかで耳にしたとか。

余談ですが、「コロコロコミックの記事」と「うんこ漢字ドリルの記事」で表紙と裏表紙を飾ったのは、きっと新聞社の粋な計らいなのでしょうね。5月10日の日経MJは、面白く勉強になる号でした。

 

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