PASONAの法則-コピーライティングに「煽り」は必要ない

経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱した「PASONAの法則」。

「PASONAの法則」の概要

①Problem(問題)
②Agitation(煽り立て)
③SOlution(解決策)
④Narrow down(絞り込み)
⑤Action(行動)

「PASONAの法則」の②Agitation(煽り立て)を、多くの人たちは誤解しています。「問題を煽れば、お客様は今以上に不安になり購買行動が促される」と解釈しているのです。そのため、不必要に不安を煽り立てようとする心ない(胡散臭い)コピーが後を絶ちません。提唱した神田氏も、この現状に嘆息をもらしていました。

この「PASONAの法則」は、これまで書き下ろしとして書籍化されたことは一度もない。形だけマネしても効果が出るため、悪用されかねなかったからだ。実際に、インターネット上を見ると、この法則が誤解して使われているケースも散見される。開発者の私としては、この状況はいたたまれない。(書籍『稼ぐ言葉の法則』より)

 

今回、『PASONAの法則』の②Agitationについて、私なりの解釈を二つお伝えします。では、一つずつ解説していきます。

 

解釈1 「お客様が抱えている問題を具体的に描写する」


一つ目は、「お客様が抱えている問題を具体的に描写する」です。悩みを感じる場所やタイミング、その時起こす行動や発する言葉などを書きます。具体的に描写することで、お客様は鮮明に痛みを想起するのです。「煽る」と「具体的に描写する」では、似ているようですが、大分違います。書き方も違いますし、なにより姿勢が違います。

2016年に発売された『稼ぐ言葉の法則』で、神田氏は「新・PASONAの法則」を提唱しました。

「新・PASONAの法則」の概要

①Problem(問題)
②Affinity(親近感)
③Slution(解決策)
④Offer(提案)
⑤Narrowing Down(絞込み)
⑥Action(行動)

②Agitation(煽り立て)が②Affinity(親近感)となっています。意味は、「買い手と同じ痛みや望みを持っていることを、ストーリーや五感を通じて描写する」としています。これは、先ほど述べた「問題を具体的に描写する」にかなり近い意味です。神田氏も、多くのセールスライターたちが解釈を間違えているため、新しく言い換えたのだと思います。

昔、私も例にもれず神田氏の書籍やDVDで勉強してきました。しっかりと勉強していれば、「PASONAの法則」の②Agitation(煽り立て)を額面通りには受け取らないと思います。今回新しく言い換えた②Affinity(親近感)に近い解釈で受け取るはずです。現に私は、「煽る」と解釈せずに「問題を具体的に描写する」と解釈していました。

私が10年以上前に携わった、女性スタッフを前面に出したセールスレターも、「新・PASONA」の法則と同じ②Affinity(親近感)になっています。紹介します。

 

日頃、家族のために頑張っているお母さんへ
ホッと、ココロとカラダを休めてみませんか。

●●会社のスタッフ
●●からの手紙

この手紙を読まれているお母さん。毎日お疲れ様です。
4月は、お子様の進学や進級で色々忙しかったと思います。5月には、ゴールデンウィークでドタバタし、気がつけば毎月、毎月忙しい日々。炊事、洗濯、掃除に子育て。他にも、やらなければいけないことが沢山あります。

私も、ダンナ1人と3人の子供と犬4匹がいます。
朝は、朝食を作り、寝坊助な子供を「早くおきなさい!間に合わないよ!」と大声で起こします。それから、会社へ行く支度をして、家を出ます。「ああ、間に合わない」と叫びながら、ギリギリセーフで出社し、上司からは「おっ、今日もなんとか間に合ったね」と、冷やかされます。会社が終われば、急いで帰宅し夕食の準備。子供が学校から帰って夕食を出した後は、犬のキラちゃんとお散歩。夜は、ダンナに晩酌をして、洗濯をします。そして、ようやくお風呂に入って、熟睡です。毎日、仕事が終わってからすることが山ほどあります。

日曜は、子供の部活の大会などで、朝からお弁当を作り、応援に出かけます。大会が無い日は、買い物などで、あっという間に一日が過ぎてしまいます。そんな、毎日を過ごしていれば、一年なんてあっという間です。気がついたら、もうこんな歳に!! お母さんは、お母さんで忙しいのです!

きっと、この手紙を読まれている、お母さんも同じ気持ちだと思います。でも、そのお陰で、旦那様やお子様は元気に外で仕事や勉強が出来ているのですね。きっと、あなた様のご家族の方も、口には出さないものの感謝しておられることでしょう。そんな、影の主役であるお母さんに、ココロとカラダを休める場を作る入浴用品「○○○○○」をご紹介させていただきます。

(詳しい事例は、「売れる文章設計法」を参照)

このセールスレターを書いて分かったことがあります。
キャラを立てて、ストーリーを通じて描写すると強い共感が生まれ、商品が売れるばかりかファン客が増えるのです。「あなたから届く手紙(セールスレター)が、毎回楽しみなの」と何人ものお客様に言われました。私の経験から見ても、神田氏が新しく提唱した②Affinity(親近感)は誤解を招かず、本質的です。

続いては、二つ目の解釈をお伝えします。

書く 筆 文字 時計

 

解釈2 「お客様が知らないリスクや痛みを教える」


二つ目は、「お客様が知らないリスクや痛みを教える」です。
先に紹介した一つ目の解釈は、お客様自身がリスクや痛みを知っている前提での書き方でした。商品によっては、お客様がリスクや痛みをすべて知らない場合もあります(または誤解している)。そのときは、教えてあげなくてはいけません。

たとえば、夜、寝付けない人向けの商品を売っていたとします。その場合は、以下のように教えていきます。
「夜、寝付けないのは、単なる不眠症と片付けてはいけません。不眠症はほおっておくと日常生活に様々な支障をきたします。たとえば……。学術的にもこのようなデータが出ています」と。

「煽る」のではなく「教える」。この姿勢が大切です。
私は「教える」という行為は「売る」の本質だと考えています。なぜなら、売り手はお客様が抱える悩みとそれを解決する商品の専門家だからです。専門家の見地から、真の問題を教え、解決できる商品を教える(提案する)。それが「売る」ということなのです。

セールスコピーを書く際、一考してください。
「お客様がまだ知らないリスクや痛みはないか」「お客様が誤解している問題はないか」と。もしあれば、教え、誤解を解きます。ニーズは高まり、購買行動も促されます。

勘違いしてほしくないのは、私は「教える」というテクニックの話をしているのではありません。あり方、姿勢の話をしているのです。「教える」は、お客様の心を推察する行為です。お客に寄り添う姿勢がなければできません。煽り系のセールスコピーを書いてしまうのは、お客様に寄り添う姿勢がないからです。そのため、テクニックでコピーを書いてしまうのです。一時的に成果が出たとしても長続きしません。必ず飽きられます。

書籍『招客招福の法則―儲けの王道がみえる88の話』(著者 小阪裕司)に、ドラマを見ていた寝具店の話があります。示唆に富んでいるため、ご紹介します。

ドラマの登場人物にお盆などの塗り師の親子がいた。息子も既に技術的には高いレベルにあるが、父には「修行が足りない」と言われ続けている。「どこが足りないのか」と問うと、父はこう言う。「魂が入っていない」。
(中略)
ドラマを見ていた先の寝具店主は、この言葉を聞いてひらめいた。そういえば最近、自店のお奨め商品を訴求したチラシの反応が悪い。チラシの作り方をいろいろ学び、テクニックは向上しているはずなのに。その理由はチラシに魂が入っていないからではないか。つまり、チラシで訴求している商品を誰にどう使って欲しいのか、それを本当に思い考えた言葉になっていないのではないかと。そこで彼はベッドを訴求した自店のチラシに魂を入れた。そうしたところそれまでの倍以上の反応があったのだ。
ドラマからこういうことに気づくこの店主の感性も素晴らしいが、この「魂を入れる」ことの意味には私も同感だ。さて、ドラマの顛末だが、魂を入れるとは何ぞやを知った息子は新たに品を仕上げ父に見せた。すると父は言った。「もうお前に教えることは何もない」。何とも深い話である。

 

まとめ


「PASONAの法則」のAgitation(問題を煽る)について、私見を述べてきました。まとめると、お客様がリスクや痛みに気づいているのなら具体的な描写をする。お客様が知らない、または誤解しているリスクや痛みがあるのならそれを教える。私は「これが正しい解釈だ!」と言いたくて本コラムを書いたわけではありません。テクニックではなくお客様を見てコピーを書くことと、その姿勢を問いたかったのです。ぜひ、魂を込めたセールスコピーを書いてください。

 

 

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