手垢の付いた慣用句は使わないほうがいいのか

文章術を説く人の中には、「手垢の付いた慣用句は使わないほうがいい」と提言する人がいます。これについての私見は、「何を書くかによる」です。

小説やエッセイは、独自の比喩表現を用いて文章を綴ったほうがいいです。小説などは、心情や情景をどう表現するかが筆者の腕の見せどころであり、読者もそれを求めています。

一方、実用文書や論文には、独自の比喩表現は必要ありません。読者も比喩表現よりも主張や論理構成に重きを置いており、比喩表現の多用は却って読者の気が逸れます。手垢の付いた慣用句で十分です。

たとえば、急成長している人や企業を表現する際、「飛ぶ鳥を落とす勢い」「破竹の勢い」などの慣用句があります。これらに変わる比喩を考えるよりも、手垢の付いた慣用句を使って、さっさと筆を走らせたほうがいいです。読者も変に思いません。

一言で「文章」と言っても、ジャンルは様々です。
小説、エッセイ、コピー、ブログ、論文、実用文書、ニュース記事、雑誌記事、コラムなど。同じ言葉を扱いますが、対象や制約も違えば、求められているものも違います。

ですから、「文章術」といった情報に触れる際、教える人がどのジャンルに属する人なのかを、まず見分けないといけません。もし、教える人が小説家であれば、その人が説く「文章術」には、頭に“小説における”が付きます。つまり「小説における文章術とは……」となるのです。ほかのジャンルでは通用しないとまでは言いませんが、ウェイト付けが変わります。今回の慣用句がその例です。

自分の書く文章はどのジャンルなのか。読者が求めているものは何なのか。これらを考慮して文章のあり方を見極めてください。

 

 

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