ル・クルーゼに見る、情緒的価値への消費傾向

我が家には、重くて使いづらい鍋があります。商品名は「ル・クルーゼ」。実はこのル・クルーゼ、主婦の間では絶大な支持を得ている鍋なのです。なぜ、重くて使いづらい鍋が支持を得ているのか。
今回は、その秘密に迫っていきたいと思います。

ル・クルーゼが支持されている一番の理由は、デザインです。料理が美味しくなるなどの特徴もありますが、ほかの鍋でも、同様のは存在します。一枚上を行くとすれば、デザインとなるでしょう。

ル・クルーゼの愛用者は、鍋をキッチン扉の中に納めるのではなく、わざわざ見える場所に収納します。カラフルな色彩のため、インテリアとしても機能するのです。中には、10種類も並べて飾っているファンもいるほどです。

情緒に重きを置く消費傾向は年々増しています。
NPI「生活者1万人アンケートの調査 2012年」の調査に、面白いデータがあります。

「価格とこだわりに関する消費意識の変化」と題したアンケートをしたところ、年代別に以下のような結果になりました。

 

「とにかく安くて経済的なものを買う」
・2000年・・・50%
・2003年・・・47%
・2006年・・・45%
・2009年・・・45%
・2012年・・・41%

 

「多少値段が高くても、品質の良いものを買う」
・2000年・・・40%
・2003年・・・41%
・2006年・・・43%
・2009年・・・44%
・2012年・・・46%

 

「自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ」
・2000年・・・23%
・2003年・・・31%
・2006年・・・31%
・2009年・・・35%
・2012年・・・36%

 

年を追うごとに、「こだわり」を重視する消費傾向に流れているのが見て取れます。データは、2012年までのものですが、おそらく、この傾向は年々増してきていることでしょう。それを裏付けるような象徴的な記事が、2013年10月28日の日経MJに掲載されていました。ご紹介します。

ドアにガラス材を採用するなど、使い勝手や機能だけではなく、デザインにこだわったモデルの増加が顕著だ。フラットで見た目に高級感があるガラス素材ドアの冷蔵庫は平均価格が約18万円と従来タイプよりも2万円ほど高いものの、販売台数は1年前と比べ1.5倍以上に拡大している。
近年、生活家電市場ではエスプレッソマシンなど小型生活家電を中心に機能と共にデザインにこだわった製品が人気を集めてきた。リビング・ダイニングと間仕切りのないオープンキッチンが増えたことで、冷蔵庫も「見せる家電」としてデザインが購入を左右する重要な要素となりつつある。

 

基本機能を備えているのは当たり前として、+αの価値として消費者はデザインなどの情緒的価値を重んじるようになってきました。ほとんどの商品は機能面も優れており、むしろ、多機能になり過ぎてかえって使いづらくなっているほどです。イノベーションでもない限り、消費者は機能的価値をそこまで欲してはいません。

消費者が今欲しているのは、人生を快適にする商品ではなく、人生に彩りを添える商品なのです。

 

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