値引き販売する前に商人が考えなくてはいけないこと

2014年8月、ある企業からセミナー講師として招かれて登壇しました。セミナーの内容は「売れる販促物作成」についてです。

セミナーの中盤、私は受講者に1枚のスライドをお見せしました。スライドには「EOS 5D Mark III ボディ(一眼レフ)」の写真と「価格100,000円」と映し出した文字。私は受講者にこう質問しました。「もし、価格368,228円するEOS 5D Mark III ボディがたったの10万円だったら、今すぐに購入するという方は手を挙げてください」。

50名ほどいた受講者から5,6名の方の手が挙がりました。手を挙げた方の中には、目を爛々と輝かせていた方も。この方たちは、10万円という価格が破格であることを理解しているのです。そして、以前からEOS 5D Mark III ボディに目を付けていた方のはずです。

私は手を挙げなかった方たちに向けてこう言いました。
「EOS 5D Mark III ボディがたったの10万円ですよ。どうして手を挙げないのですか?」。問われた受講者たちは、困惑した面持ちになりました。

そして私はこう付言しました。
「どうして買わないのか。それはEOS 5D Mark III を欲しいと思っていないからです。つまり、値引き販売は、“すでに欲しいと思っている人”だけに効く販促手段なのです」

私は仕事柄「商品が売れない」という相談を度々受けます。相談者からは「やっぱり、価格が高いからですかね」と漏らす方もしばしば。ですが、先ほどご説明した通り「値引き」という販促手段は、元々欲しいと思っている人にしか効果はありまません。価格が高いことが消費を大きく妨げている原因であれば、確かに値引きは有効でしょう。しかし、その前に一考して欲しいのです。「お客様はそもそも欲しいと思っているのか? 自分たちは欲しいと思わせる動機付けができているのか?」と。

実は、価格と消費意欲は関連性がありません。
「高いから買えない」という現象はあっても、「高いから欲しくない」という現象はありません。同様に「安いから買える」はあっても「安いから欲しい」はないのです。価格は「買える」理由にはなっても、 「欲しい」理由にはならないのです。

販促活動で一番大切なことは、その販促物を手に取った人に「欲しい」と動機付けすることです。価格はその次に考えるべき事柄です。

値引き販売する前に、商人にはすべき仕事がほかにもあるのです。

 

 

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