「お得感」を制する者が、価格を制する

私の好きな漫画の一つに、『賭博破戒録 カイジ』があります。
登場人物の一人、兵藤和尊の台詞にこんな名言があります。

「公平である必要はないが、公平感は客に与えねばならんのだ」。

パチンコ「沼」でイカサマをしている部下に対して発した言葉です。
実はこれ、価格にも通じる話です。換言すれば「お得である必要はないが、お得感は客に与えねばならんのだ」になります

私が学生だったとき、テレビ通販で、あるダイエット器具を注文しました。5,000円ぐらいだったと記憶しています。番組を見ていたときは、ビデオなどの特典も付いて5,000円は安いと思いました。しかし一カ月後、近所のホームセンターを覗いてみたら、同じ器具が3,000円ほどで売られていたのです。そう、私は、完全にお得感に釣られていたわけです。

テレビ通販は、価格を最後に伝えます。
なぜなら、セールストークをした後に価格を提示するほうが、お得感を与えるからです。また、価格を提示した後に特典を複数紹介するのも、そのほうがお得感を与えられるからです。

テレビ通販のほとんどは、以下のトークで締めくくります。
販売者がセールストークをした後、司会者が「でも、お高いんでしょ」と合図。販売者が「ご安心ください。これだけの機能が付いた○○の商品、価格は△△円に抑えました」。
司会者は「まぁ、お安いですね」と驚き、販売者は畳みかけるように、「それだけではありません。今回特別に□□もお付けします。さらに、今ご注文された方には、◇◇もお付けしています」と複数の特典を紹介。
司会者は「え~~、こんなにお安いうえに、特典がこれだけ付くんですか!」と歓喜します。
長年、この番組構成が用いられてきたのは、一定の効果が常に得られるからです。

特典について、もう少し言及しておきます。
特典は、魅せ方一つで、お客様に与えるお得感が大きく変わります。先ほど紹介した「価格の後に特典を紹介する」のも魅せ方の一つです。ほかにもあります。

たとえば、「増量」です。
原価率20%の商品の場合、20%割引して販売よりも、25%増量したほうが売れます。(前者の利益額は600円。後者は750円になりますが、原価率は同じです)。

ほかにも「○本買ったら1本タダ」という手法があります。
「1本3000円のネクタイを2000円に」と「3本買ったら1本タダ」を比較した際、後者のほうが売れます。実質、お客様が負担するコストは同じです。それなのに、なぜ後者のほうが売れるのか。それは、1本タダと言われたほうがお得だと感じるからです。

私は以前、この特典を活用して店販商品を大量に売りました。
「10本購入したら1本無料。30本購入したら5本無料。50本購入したら8本無料」という風に。こうなると、本数の多いほうから売れていきます。

まだまだ手法はありますが、ご紹介はこのくらいにしておきます。
特典の目的は、実質的に「お得」にすることではなく、「お得感」を演出することです。たとえ、実質的にお得であったとしても、お得感を与えられなければ、消費を促すことができません。

「この特典はお客様から見てお得感を演出しているだろうか?」
そのような視点で、特典を見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

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