仕事の質を高めたければ、締め切りを設けなさい

あなたは、仕事に締め切りを設けていますか。
たとえば、上司やクライアントから「手が空いたときでいいよ」と言われた仕事に対して、自ら「○○日に終わらせます」と宣言する。このように、締め切りを常に意識して仕事に取り組んでいる人はどれほどいるでしょうか。これは“時間術”の話ではありません。仕事の質を高める“仕事術”の話です。

仕事の質、とりわけクリエイティブな仕事に従事している人であれば、締め切りを設けたほうがいいです。「えっ、クリエイティブな仕事って時間をかけたほうがいいんじゃないの?」と思うかもしれませんね。ですが、それは間違いです。最低限の時間は必要ですが、多ければ多いほど質の高い作品ができるわけではありません。往々にして、余剰な時間はクリエイティビティを下げてしまいます。

この話は、日本を代表するデザイナーの著書『佐藤オオキのスピード仕事術』(著者 佐藤オオキ)にも記されているので引用します。

デザインやブランディングの仕事とスピードは、最も関係がないように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
実際にスピードを重視すると、不思議なほど仕事の質が高まります。しかも予定よりも早く仕事を仕上げると関係者にも喜んでいただけるため、依頼がどんどん増えてきます。
すると手がける仕事の幅が広がっていくので、ますます経験値が上がっていきます。そして、さらにスピードもアップして、自分も成長していくーという、驚くような正のスパイラルが起きるのです。(中略)

私は、実際の納期より早く締め切りを設定して仕事を進めるようにしています。たとえば3週間後が納期なら、まず「1週間で仕上げる」と目標を設定するのです。
このように目標を決めると、自ずと「1週間で仕上げるにはどうしたらいいか」と考えるようになります。よりスピードを上げる方法を工夫することで、実際には1週間で仕上げられなかったとしても、2週間あれば余裕をもって仕上げられるようになるといった成果が得られます。
この場合、目標は「かなり無理がある」と思えるような水準で設定するのがポイントです。たとえば「3週間ですら厳しい」という状態で「1週間で」という目標を決めれば、当然、極端な負荷をかけて仕事に取り組むことになるでしょう。そのような状態を何度か経験すると、それまで重いと感じていた負荷も、あまり重く感じなくなるのが面白いところです。

言語脳学者の酒井邦嘉氏と指揮者の曽我大介氏との対談を記した書籍『芸術を創る脳』からも紹介したい一文があります。

曽我 私の座右の銘は、「締め切りが芸術を創る」です(笑)。だって締め切りが来ないと、いつまでたってもやらないものでしょう。だからベートーヴェンだって、自分で演奏会を催さないといけなかったのだと思います。依頼原稿だってそうですし、画家にしても、展覧会をやるから、それまでに描かなければとキャンパスに向かうのでしょう。

酒井 締め切り以外にも、様々な制約が芸術を創るということはあるでしょうね。「自由になんでもいいですよ」と言われると、かえって力を発揮しにくいものです。「この制約でやってください」と言われたとき、その枠の中で最大限どこまでやれるか、というチャレンジ精神が創作力を引き出すのかもしれません。

引用部分でも語られているように、締め切りは一種の制約です。制約がクリエイティビティに大きな影響を与えることは、クリエイターなら誰もが知っているはず。締め切りも一種の「制約」と捉えれば、理解しやすいかもしれませんね。

漫画界の神様 手塚 治虫 氏は、連載をいくつも抱え、日々締め切りと戦っていたそうです。もしかしたら、手塚氏を天才へと開花させ、多くの作品を世に残させたのは「締め切り」なのもしれませんね。

仕事の質や能力の向上に寄与する「締め切り」。この手法を使わないのはあまりにももったいないです。クリエイティブな仕事に限らず、どんな仕事でも締め切りを設けて挑んでみてはいかかでしょうか。

 

関連書籍


芸術を創る脳

 


佐藤オオキのスピード仕事術

 

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