高額セミナーの満足度が高い本当の理由

「セミナー参加費を上げると、参加者の満足度が高まる」といった話を聞いたことはありませんか?
その理由としてよく挙げられるのが、「参加者の質が上がるから」です。確かにそれも一理あるでしょう。しかし、真の理由はほかにあります。満足度が上がる真の理由は、「高額な参加料を支払うことにより生じるバイアス」なのです。なぜ、高額な参加料を支払うだけで満足度が上がるのか、そのメカニズムを書籍『失敗の科学』(著者 マシュー・サイド)を用いて説明します。

本書には、面白い実験が紹介されています。
[実験内容]
学生たちを二つのグループに分け、「性の心理学」の討論会へ参加させました。加入儀式として、Aグループには官能小説の過激なセックスシーンを読み上げさせ、非常に恥ずかしい体験を伴わせました。一方のBグループは、辞書に載っている単語を読み上げるだけの易しいものでした。その後、学生たちは討論会に迎えられ、そこでは事前に行われた討論の録音テープを聞かされます。討論内容は、意図的に退屈なものになっており、“普通なら”誰でも参加したことを後悔するレベルのものです。
では、このテープを聞いた両グループは討論会をどう評価したのか。辞書の単語を読み上げただけのBグループは、「無責任だ」「予習ぐらいすればいいのに」と低評価をしたのに対して、官能小説を読み上げたAグループは、「刺激的で興味深い」「発言者も頭がよくて感じもいい」と高評価をしたのです。

これは一体どうしてでしょうか。本書には、Aグループが高評価した背景についてこのように説明しています。

もしあなたが大変な努力をしてまで(あるいは恥ずかしい思いをしてまで)参加した討論会が、嘘のようにつまらなかったらどうだろう? つまらなかったと認めることはわざわざ頑張った自分をバカだったと認めることにもなる。その状態で自尊心を守るためには、すばらしい討論会だと思い込むしかない。だから内容も発言者も高く評価する。事実の見方を変えて、都合良く解釈してしまう。(p105-106)

自身の自尊心を守ろうとして強いバイアスがかかってしまうというわけです。セミナーにも通じる話ですね。高額な料金(大変な努力)を支払った手前、「最悪なセミナーだった」と評価することが難しくなります。

大変な努力による満足度の向上はなにも討論会やセミナーに限った話ではありません。商品にも言えます。お客様の満足度を上げる施策の一つに、「値段を高くする」を加えてもいいでしょう。「本当にそんなことで満足度が上がるのか」と思うかもしれませんが、私たちが思っている以上に、人のバイアスは強力なものなのです。

先の実験には、後日談があります。
実験終了後、学生たちに種明かしをしました。それでもAグループは自分たちの言動のおかしさを認めようとしませんでした。

厳しい加入儀式を経験した学生たちは「とても面白い実験ですね。たいていの人なら先生の仮説通りになるでしょう」と言った。しかしその一方で、自分たちがあの討論会を気に入ったのと、加入儀式の厳しさとは何の関係もないと懸命に訴えた。すばらしい討論だと言ったのは本当にそう感じたからだ、とも主張した。(P117-118)

満足度は、「支払った対価」が多分に、そして強力に影響しているのです。

 

 

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失敗の科学

 

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