プロに無償で仕事を依頼してくる人は「非常識」ではない3つの理由

「プロに無償で仕事をお願することの是非」の記事や話題を、年に1回は目にします。大抵は、「無償で仕事を依頼してくるなんて非常識だ」「技術を磨くのに時間とお金がかかっているんだ」と義憤に駆られたものです。

最近目にした話題がこちらですね。
ダンボール女子の作品を軽視する内容であらびき団が炎上してる経緯まとめ

段ボールでアート作品を作っている女性に、TV番組が「3000円で作品を作って欲しい」と依頼。彼女は5分で作品を作ったのですが、これにスタッフは、『5~6分で3千円だったら時給2万5千円ですよね。高くないっすか?』と突っ込んできました。そして、この放送を見た人から批判が噴出したのです。

技術職の方であれば、上記に似た経験を何度かしていると思います。「すぐにできるんだから安くして」「友達なんだからタダにして」とかですね。

私は、こうした現象が起きることは、ある意味仕方ないと思っています。そのため、「非常識だ」などと糾弾するつもりはありません。なぜ私はそう思うのか。その理由を3つにまとめてみました。

 

 

1. 交渉する自由が誰にでもあるから


「○○だから安くして」(または「無償にして」)とお願いしてくる行為を、私は「交渉」と捉えています。「友達だから安くして」と言う人は、友人関係を口実に値引き交渉してきているわけです。嫌なら断ればいいだけの話です。こちらにも断る自由があるのですから。

「○○だから安くして」は、どこの世界でも起きている交渉です。値引き交渉に怒るようでは、ビジネスをする者として経験が浅いとしか言えません。

 

 

2. 「○○だから安くして」と言う人は、逆の立場でもそうしているから


「○○だから安くして」(または「無償にして」)とお願いしてくる人は、その論理を自然と自分にも当てはめているものです。私が見ている限り、「友達だから安くして」と言う人は、友達に対して自分の商品やサービスを安く提供しています。その人の中では筋が通っているわけです。

「友達だから安くして」と言う友人に怒るタイミングがあるとすれば、「じゃ、私があなたのお店で商品を買う時は、今度はそっちが安くしてくれる」とお願いした際、「できない」と断ってきた時です。その時は、「それは筋が通ってないだろ」と言い返してもいいと思います。

 

 

3. 可視率の低いものは、価値や原価が認識しづらいから


商品と技術と知恵を比べて、技術や知恵は「安くして」「タダにして」とお願いされやすいです。なぜでしょう。私が考えるに「可視率」が低いからです。

たとえば、商品は具体的な物体として目の前に存在します。これなら「原価がかっている」と想像するのは容易です。そのため、「タダにして」とはそうそう言ってきません。

一方、技術はどうでしょうか。たとえば、1枚イラストを描いてほしいとお願いしたとします。依頼者が認識できるのは、目の前で描かれた際に生じた時間と手間だけです。一見、ほとんど原価がかかっていないように見えてしまいます。そのため、安くしてもらえる、タダにしてもらえると思ってしまうのです。または、提示された価格が「高い」と感じてしまうのです。冒頭の段ボールの話がいい例です。

1枚のイラストの背景には、何千時間もの練習時間があります。だからこそプロは、1枚のイラストや作品に、何千、何万円と請求できるのです。しかし、こうした背景を汲み取れる人は、思いのほか少ないのが現状です。背景を汲み取ることができるのは、同じように練習時間を費やした経験がある人、または意識的に想像力を働かせた人だけです。

商品の話にちょっと戻します。あなたは商品を購入する際、その商品がどんなふうに研究され、どれだけの時間が費やされて作られたのかを、毎回毎回想像して購入していますか? ほとんどの人は、想像したことがないはずです。

もう一度言いますが、基本的に人は、目の前に映っている物体にしか想像力を働かすことができません。商品なら原価、イラストなら描いた時間と手間です。だから、10分で描いたイラストに対して“原価はほとんどかかっていない”と認識してしまい、「安くして」「タダにして」とお願いしてくるのです。

コンサルタントのような知恵を売る商売はもっと悲惨です。質問に対して瞬間的に答えるので、時間も手間もゼロだと思われてしまいます。そのため、タダで答えてくれるものだと考え、お茶やお酒の席で悪意なくコンサルタントに質問(相談)をしてくるのです(私も何十回と経験しています)。

技術や知恵を売る人は、「安くして」「タダにして」とお願されることが多いでしょうが、「人間はどうやらそういうふうにできているようだ」と理解すれば、怒ることも少なくなるかと思います。

 

 

正論を説くよりも対策を


「プロに無償で仕事をお願するな。技術には時間とお金がかかっているんだ」「値引きや無償の依頼は、プロへの敬意がない」と正論を説いて溜飲を下げるのは簡単です。しかし、この話題が度々あがるということは、「人の構造に何かある」と考えるべきです。それに、「非常識だ」と言い、良識の問題にした時点で、「相手がなぜその答えに至ったのか、どう考えているのか」と考える機会を手放してしまっています。一言で言えば、思考停止です。

なぜ、こうした現象が起きるかが分かれば、対処のしようもあります。
たとえば、時間がかからないことが安く見られる原因であれば、「1枚描くのに5時間かかるから3万円ね」(本当は1時間)と言えばいいのです。大切なのは、溜飲を下げることよりも対策です。

 

 

まとめ


今回私は、自分なりに無償(値引き)依頼が起きる理由を考え、記事にしました。無償依頼をしてくる人を擁護することが目的ではありません。「私が考えるに無償依頼が起きる理由は3つある。だから、おそらく今後もなくならない。正論を説いて溜飲を下げるよりも、自分なりに何か対策を考えていたほうが建設的ではないだろうか?」と言いたいのです。

ぜひあなたも、値引きや無償依頼されない手を考えてみてください。

 

 

◆この記事を読んで納得しない方へ。こちらの記事も併せてお読みください。

「ドリンクを頼まないのはマナー違反」などと不満を言うな

シャリを食べ残すお客に対して回転寿司チェーン店が取った対策とは

 

 

関連記事

◆コンサル系はこちらの記事をお勧めします。
『無料で仕事を依頼されるのは、売り手の努力不足』
ノウハウの可視率を高めて、高単価で販売する方法が分かります。

◆クリエイター系はこちらの記事をお勧めします。
『すべてのクリエイターに捧ぐ。もし無料で仕事依頼されたら』
無償の仕事を依頼された時の対処法や考え方が載っています。

 

関連記事

5,700名が購読!! 1日10秒で読めるマーケッター養成メルマガ

中小企業に特化したマーケティングがすべて学べる!
「客単価を倍にする一言」「口コミが生まれる5つの条件」「販促効果を倍増させる7種の限定性」「ニュースに取り上げられる8つの企画」「売れるネーミング7つの条件」「新商品をヒット商品にする2つの方法」「新規事業の成否を決める3要素」「集客商品に必要な5つの条件」などの商売繁盛に役立つノウハウを毎日(365日間)配信。

今すぐ、ご登録を!