好きなことで起業する人に欠けているもの

商売の本質は、「人が欲しているものを提供する」です。
決して、あなたが売りたいものや好きなことを人に売りつける業ではありません。私は以前から「好きなことで起業しよう」と提唱する人に対して、疑義を抱いています。なぜなら、商売の本質からズレているからです。

好きなことで起業してもいいです。好きなものを売ってもいいのです。それを欲する人がおり、市場から求められているのであれば。しかし、得てして“好きなことで起業する人”の多くは、この“欲する人”がいるかどうかをあまり見ていません。それよりも、自分の「楽しい」「やりたい」という気持ちを優先しているように見受けられます。

私はカフェや居酒屋が好きで、お店巡りをよくしています。ただ、残念なことに、1年もすると何軒か潰れています。皆さんの地元にあるお店も同じだと思います。飲食業の倒産率は、新規出店から3年以内の廃業率が約7割、開業10年後の生存率は1割の、とてもシビアな職種です。

カフェなどを始める人の多くは、「自分の好きなことを仕事にしたい」「こんな雰囲気のお店を持ちたい」と思い、起業します。まさに「好きなこと」で起業しているわけです。その結果は、先ほど述べたとおりです。

概して、あなたが好きなことは、みんなも好きです。
人気のある“好き”は、「お店(城)を持ちたい」「デザインをしたい」「絵を描きたい」「コピーを書きたい」「ファッションをしたい」「音楽をしたい」です。あなたは特別ではありません。その他大勢も「好き」と思い、「起業しよう」と考えています。つまり、競合が多いのです。

「好きなことで起業しよう」と提唱する人への反論になりますが、私はこう提唱します。「好きなことで起業して成功するのは、人一倍難しい」と。理由は前述したとおり、「市場を見ない」と「競合が他の職種よりも多い」からです。
ちなみに、「好きなことで起業しよう」と提唱する人は、商売が上手いなと思います。なぜなら「好きなことで起業したい」と考えている人は多い(市場が大きい)からです。現実的な統計データなどを見せず、甘い言葉を用いて夢を見せるほうがお金になると分かっているのです。
※総務省・経済産業省の「平成24年経済センサスー活動調査」によると、建設業、小売業、宿泊業、飲食業は、開業件数よりも廃業件数のほうが倍以上多いです。

好きなことを仕事にしてもいいです。その場合は、主観的にならず、冷静に市場と競合を分析してください。好きなことで起業するのは楽しいですがラクではないのです。

 

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