お客様に特典を選ばせないほうが、レスポンスは上がる

先日、飲食店のチラシを添削しました。
チラシは完成度が高く、直す点がほとんどありませんでした。ただ一箇所だけ直すようアドバイスしました。それは、クーポン券です。チラシには、5つの割引クーポン券が付いていましたが、割引条件がそれぞれ異なっていたのです。たとえば、「○○をご注文した方のみ使える、ビール1杯無料券」というふうに。

複数の特典を提示して、お客様に選ばせるやり方は、得てして反応を落としやすいです。お客様は、頭を使うことを極端に嫌がるからです。少しでも「選ぶのが面倒」と思ったら、思考することを止めてしまい、情報をシャットアウトしてしまうのです。これは何も特典に限った話ではありません。商品でも同様です。

行動心理学で有名な実験があります。論文『選択のパラドックス』(著  バリー・シュワルツ)より。

2つのディスプレーを用意。一方には24種を1個ずつ広範囲に集めたジャムを陳列。もう一方には6種に絞り込んで4個ずつ陳列。通行人はどちらも240~260人の同数。そのうち足を止めた人数の割合は、24種を陳列したディスプレーが60%、6種を陳列したディスプレーが40%だった。種類が多いほうが注目度は高い結果となった。しかし、ジャムの購入を比較したところ、現象は逆転した。24種陳列したほうの購入者の割合はわずか3%。これに対し、6種陳列したほうの購入者は30%近くいた。つまり、買った人の割合は、足を止めた人の割合とはまったく逆の、しかも10倍近い大差をつける結果となった。

「選ばせる」は、往々にして「迷わせる」を生じます。
魅力的な商品を数点、あるいは、お得感が強いオファーを一点だけ用意するほうが、お客様はストレスなく消費を楽しめるのです。

 

 

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