文章力を鍛えたければ、「縦書き」で書きなさい
文章力を鍛えるため、私は様々な取り組みをしてきました。「文章の書き方」と名の付く書籍は何十冊と読み、書写も何百枚としてきました。そのなかで、とりわけ文章力を鍛えるのに効果的だと思ったのが「縦書き」です。おそらく、多くの方は「横書き」で文章を書いていると思います。試しに、「縦書き」で書いてみてください。面白いぐらいに筆が進まなくなりますから。
なぜ、縦書きは文章力が向上するのか。私なりの持論があります。
プロの書いた文章(書籍・新聞)が主に縦書きだからです。縦書きで書いた途端、プロの文章と無意識に比べてしまい、自分の文章の稚拙さが目に付くようになるのだと思います。
一方、素人が書いた文章(ネット・SNS)は主に横書きです。横書きで書いているうちは、素人レベルに標準が合っているため、自分の文章の稚拙さに気づきません。試しに、横書きで書いたものを縦にしてみてください。Wordなら、ツールバーの「ページレイアウト」にある「文字列の方向」を変更すれば、すぐに縦書きになります。「なんだか下手な文章だな」といった所感を持つかと思います。
縦書きは、素人のごまかしテクニックが通用しません。絵文字も顔文字も使えません。「このまま書籍になっても恥ずかしくないか」と自問しながら読み返してください。「これなら大丈夫」と思えたなら表に出しましょう。これを続けていれば、文章力がおのずと鍛えられます。私は、50記事書いたあたりから、上達を実感しました。
本当は、誰にも教えたくないぐらい効果的な方法です。騙されたと思って試してみてください。その効果に驚くはずです。
追記
京都産業大学の若井勲夫教授が学生を対象に縦書きの効用を実験していました。実験結果を要約すると、「縦書きは文章としての形式を整え、構成の目配りをするが、横書きはその意識を欠き、何となく締りなく漫然と書き続ける傾向がある」。やはり、縦書きの効用はあるようです。ぜひ、お試しあれ。